こんにちは。「医学英語カフェ」にようこそ。
ここは「コーヒー1杯分」の時間で、医学英語にまつわる話を気軽に楽しんで頂くコーナーです。
本日のテーマは「海外留学に興味のある医療系学生・医療者に絶対オススメできる Team WADA という団体の魅力」です。
「海外留学に何となく興味はあるけれど、自分の周囲には相談できる人がいない」
「USMLE や OET の受験に興味はあるけれど、自分の周囲には同じような目標を持つ人がいない」
「海外で活躍することを目標としているけれど、自分の周囲にはロールモデルとなる人がいない」
上記のような悩みを持っている医療系学生や医療者の方は少なくないと思います。また SNS での情報が氾濫する現在においても、海外留学や医学英語に関して心理的な抵抗が強いという方も少なくないことでしょう。
そこで今月は、そのような方に是非知って頂きたい NPO法人 Team WADA という団体の魅力をご紹介したいと思います。
Team WADA ってどんな団体なの?
では早速、この Team WADA という団体がどのようなものなのか、見ていきましょう。今回は Team WADA の「学生メンバー」の代表を務めるアンダーソン アレックス 誠治さん(2026年1月現在 旭川医科大学医学部医学科5年生)にご協力頂き、Team WADA の魅力をご説明して頂きたいと思います。
NPO法人 Team WADA は、米国シカゴ大学の心臓外科医である北原大翔先生を中心に、海外挑戦を目指す日本の医療従事者を支援する団体です。
その歩みは、一人の日本人研修医が米国の病院見学において途方に暮れていた際に、北原先生や太田壮美先生が励まし、温かく迎え入れようとした小さな会から始まりました。この繋がりを原点として発展し、現在は下記の項目を活動の3本柱としています。
- • リアルタイムでの海外留学情報の発信
- • 交流の場の提供
- • 医学英語教育の促進
北原先生による X や YouTube での発信を通して所属するメンバーも増加し、2025年12月時点では、国内の65の大学や海外の大学を含めて181名の学生メンバーが所属する日本最大級のコミュニティへと成長しています。
私たちの最大の使命は、海外留学や医学英語に対する心理的な抵抗を小さくすることです 。海外からの生きた情報を礎に、志を同じくする仲間と切磋琢磨できる環境を整えることで、日本の医療従事者や学生の国際的な視野を広げ、一人ひとりのキャリアアップを全力で後押ししています。一部の限られた人だけでなく、誰もが世界を視野に挑戦できる未来を目指し、日々新たな情報を発信し続ける。それが私たちの信念です。(アンダーソン アレックス 誠治)
アレックスさんのご説明、いかがでしたか?
私自身、Team WADA には「北原先生の親しみやすいお人柄が求心力となり、誰もが参加しやすい活動を提供している団体」という印象を持っています。
私個人としては「医学英語アドバイザー」という立場でお手伝いをさせていただいておりますが、Team WADA には、若い人たちの海外医療留学を支援したいという思いを持った数多くの医療者(私の大学時代の同級生でもあるミシガン大学の桑原功光先生も「小児科部門アドバイザー」を務めています)が情熱を持ってボランティアとして参加しています。
これまで海外医療系留学の経験者や臨床英語教育者が身近にいなければ得ることが難しかった情報にも、Team WADA の活動を介して気軽にアクセスすることができます。その点こそが Team WADA という団体の最大の魅力と言えるでしょう。
医療系学生にとっての Team WADA の魅力とは?
次に医療系学生にとって Team WADA がどのような魅力を持つのか、引き続きアレックスさんに解説して頂きましょう。
留学を志す学生に対し、Team WADA は実践的な医学英語教育の機会と学生同士の交流の場を提供しています。
学習面では、国際医療福祉大学医学部 医学教育統括センター教授である押味貴之先生、ロンドン大学附属病院看護師長であるロッシ真由美先生、亀田総合病院総合内科部長兼米クイーンズメディカルセンター ホスピタリスト部門長である野木真将先生による医学英語セミナーをオンラインで開催しています 。また米国医師国家試験である USMLE の対策である “USMLE Study” では、USMLE 合格者による問題解説や、2週間に一度、学習の進捗報告会を Zoom で定期的に開催し、孤独になりがちな USMLE 学習の継続を支えています 。
さらに月一回の学生メンバー定例ミーティングでは、学生による海外留学報告会を実施しています 。医療ボランティア、研究室配属、海外病院実習など、アメリカやヨーロッパ、アジア、アフリカといった多様な地域の体験談をバランスよく企画し、学生のあらゆるニーズに応えています 。
これらの活動を通じ、学生は自分の理想に近いロールモデルを見つけ、今やるべき勉強や中間目標を具現化することができます。大学の枠を超えた仲間との繋がりが、皆さんの夢を現実に変える大きな原動力となります。(アンダーソン アレックス 誠治)
アレックスさんのご説明、いかがでしたか?
USMLE 対策に関しては、たとえ自分が所属する大学で受験を目指す学生が少なくても、Team WADA を通じて同じ目標を持つ学生と繋がることができます。
学内にロールモデルとなる先輩や教員が見つからない場合でも、さまざまな交流を通して、自分が目指す分野で活躍する先生と出会う機会が生まれます。
このように海外留学を目指す医療系学生にとって、Team WADA は実に様々な機会を提供しています。
医師にとっての Team WADA の魅力とは?
では医療者、特に医師にとって Team WADA にはどのような魅力があるのでしょう?
医師の皆様に向けては、最新のトレンドを反映した詳細なキャリア支援を行っています。YouTube の「留学医師ライブ」シリーズでは、ほぼ全ての診療科を網羅した医療従事者によるキャリアパスやアドバイスの動画を170本以上投稿しています 。常に発信を続けることで、変わり続ける留学要件や現地のニーズに即応した、医師にとって非常に有益な情報源となっています。
特に2025年は、米国留学の登竜門とされる「在日米軍基地病院日本人フェローシップ」について、三沢、佐世保、岩国、横須賀、沖縄の5基地を特集した動画シリーズを公開しました。また、YouTube 以外にもブログでの情報発信を積極的に行っており、キャリアパスや生活面の工夫など、多角的な視点から海外挑戦を支援しています。
書籍『留学医師LIVE』では、100人の留学医師へのアンケートに基づく「留学の平均値」も紹介しており、多忙な業務の中でも効率的に戦略を練ることが可能です。このように Team WADAは、世界へ挑む医療従事者や学生の皆様を、最新の知見と強力なネットワークで支え続けます。(アンダーソン アレックス 誠治)
社会人になってからの海外留学には、「臨床留学」「研究留学」「大学院留学」「語学留学」「ボランティア」など、さまざまな形式があります。Team WADA には、こうした多様な海外留学の情報を形式別に検索できる「アーカイブ機能」が整備されています。
さらに、それぞれの留学を実現するために必要な準備や経験について、実際の経験者に直接質問することも可能です。
「これまで海外留学に少し興味はあったものの、自分には無理だと諦めていた」という方にとっても、Team WADA の情報発信は大きな意味を持つと言えるでしょう。
「オンライン医療英語セミナー」Team WADA MEDS の魅力とは?
最後に、私が担当している Team WADA MEDS というオンライン医療英語セミナーがどのような取り組みなのかをご紹介したいと思います。
Team WADA Medical English Discovery Seminar (MEDS) は、Team WADA の学生メンバーを対象に毎月開催しているオンライン形式の医療英語セミナーです。
実は私は以前、Team Medics という医療系学生団体の主催する Tokyo MEDS というオンライン医療英語セミナーを継続的に行っていました。そこでは毎月一つの症状を取り上げ、その症状に関する医療面接・身体診察・鑑別疾患を学びながら、関連する医療英語を体系的・包括的に学ぶ構成を取っていました。
この「医学英語カフェ」でも繰り返しお伝えしているように、医学英語とは単に英語の医学用語を覚えることではありません。医学英語とは「医師としてのコミュニケーションを英語で適切に行うことができる能力」であり、「医療面接」「身体診察」「患者教育」といった患者さんとのコミュニケーションから、「症例報告」「論文読解・執筆」「学会での口頭発表」といった医師・医療者同士のコミュニケーションまでを英語で担える力を身につけることが、医学英語教育の本質だと考えています。
Team WADA MEDS では、こうした考え方を土台に、1年生から6年生まで学年の異なる医学生が無理なく、かつ段階的に学べるように内容と構成を工夫しています。具体的には、以下のような幅広い領域を医学英語という一つの軸で横断的に学ぶことができます。
- • 基礎医学
- • 臨床医学
- • 医療面接
- • 身体診察
- • 臨床推論
- • 症例報告
- • カルテ記載
- • 臨床現場で使われる実践的な慣用表現
- • 知っておくべき英語圏のマナーや文化的配慮
- • 学術的な英語表現
- • TOEFL や IELTS などでも役立つ慣用表現
医学英語教育者としての私自身の強みは、「医学英語に関わるあらゆる領域をカバーできること」にあります。その背景には、医療通訳というもう一つの私の専門領域があります。医療通訳者では、専門的な医学用語だけでなく、患者さんの日常的な言葉や微妙な感情表現などあらゆる英語表現を理解し、橋渡しすることが求められます。このような医学英語に関する包括性が Team WADA MEDS の内容設計にも色濃く反映されています。
毎月1回、日曜日の14時から16時までオンラインで行っている本セミナーは、英会話初級者にとっては「安心して英語を話せる学べる場」であり、同時に英会話上級者にとっても毎回「新しい発見がある場」となっています。参加者同士が Breakout Room で会話できる機会も設けているので、「国内外の医療系学生と交流できる場」としても機能しています。
なお、本セミナーの対象は Team WADA の学生メンバー限定となっていますので、参加を希望される学生の方は、こちらからご応募ください。
さてそろそろカップのコーヒーも残りわずかです。最後に Team WADA 学生部門が考える「医療英語を身につけるためのモデルコース」をご紹介します。
- • 初級者向け:Team WADA MEDS
押味貴之先生と一緒に医療英語を包括的に学ぼう!
- • 中級者向け:Study with Rossi RN
ロッシ真由美先生と一緒に英語での医療面接を学ぼう!
- • 上級者向け:Clinical Dojo
野木真将先生と一緒に英語での臨床推論を学ぼう!
ではまたのご来店をお待ちしております。
「Dr. 押味の医学英語カフェ」では、読者の皆さまがこの連載で取り上げてほしい医学英語のトピックを募集しています。こちらのリンクよりご希望のトピックを自由に記載してお送りください。
国際医療福祉大学医学部 医学教育統括センター 教授
押味 貴之
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