こんにちは。「医学英語カフェ」にようこそ。
ここは「コーヒー1杯分」の時間で、医学英語にまつわる話を気軽に楽しんで頂くコーナーです。
本日のテーマは「医学英語教育のカリキュラム」です。
2026年7月11日・12日、関西医科大学にて「第29回 日本医学英語教育学会学術集会」が開催されました。R. Breugelmans 教授が大会長を務めた今回の学術集会では “Toward an EMP Model Core Curriculum: Balancing Standardization and Personalization” をテーマに、医学英語教育モデル・コア・カリキュラムの策定に向けて、カリキュラムの「標準化」と「個別化」をいかに調和させるかについて、活発な議論が交わされました。
そこで今月は、いつもの「医学英語カフェ」とは少し趣向を変え、医学英語教育のカリキュラムについて、私自身の考えをご紹介したいと思います。
医学英語教育の標準化とは?
今回の学術集会のシンポジウム “Toward an EMP Model Core Curriculum: Balancing Standardization and Personalization” では、医学英語教育のモデル・コア・カリキュラムを考える上で、大変示唆に富む2つの招待講演がありました。
1つ目は名古屋大学大学院教授で、日本医学教育学会理事長の錦織 宏(にしごり ひろし)先生による “The Role of Medical English Education in Japanese Medical Education in the Era of Artificial Intelligence” という講演です。
錦織先生は、生成 AI によって翻訳・英文作成・情報収集が容易になった現在、英語を単なる語学力として捉えるのではなく、国際的な医学・医学教育コミュニティに参加し、多様な価値観に触れて、日本から世界に発信するための手段として捉える必要があると述べられました。
また錦織先生は、professionalism は文化によって異なり、医師としての成長や「やりがい」は、患者さん、同僚、学生、指導者、そして海外の医療者との関係の中で育まれることを示されました。つまり医学英語とは、単に情報を得るためだけでなく、世界の人々と関係を築き、医師として成長するための手段でもあるのです。
2つ目が英国バーミンガム大学医学部名誉教授で、European Association of Language Teachers in Healthcare (EALTHY) 会長の John Skelton(ジョン・スケルトン)先生による “The Individual and the Core Curriculum” という講演です。
Skelton 先生は、欧州を含め、複数の国や大学で共有されている医学英語教育のコア・カリキュラムはほとんどなく、学習者の英語力、教育歴、関心、将来の進路も多様であると指摘されました。
また Skelton 先生は医学英語を文法や語彙の知識ではなく、診療の中で何かを行うための “language as action” として捉え、communication そのものが professionalism の一部であるということを強調されました。
では現在の日本では、医学英語についてどのような学修目標が示されているのでしょうか?
現行の『医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)』において、英語に直接言及した学修目標は、「RE:科学的探究」の「RE-02-02:論文読解」に示された次の一項目に限られています。
「RE-02-02-01:医学論文(英語)を読んで概要を理解する。」
一方で、日本医学英語教育学会 (JASMEE) も、2015年に『医学教育のグローバルスタンダードに対応するための医学英語教育ガイドライン』を発表しています。
このガイドラインは、Vocabulary, Reading, Writing, and Communication の4領域について、Minimum requirement と Advanced requirement を示し、論文読解だけでなく、医療面接、診療録記載、症例プレゼンテーション、論文執筆、学会発表なども扱っています。
もちろんこのガイドラインは現在でも重要な指針ですが、策定から既に10年以上が経過しています。錦織先生や Skelton 先生が指摘されたように、生成 AI の普及などによって、医師に求められる英語能力や学び方は大きく変化しています。また学生の英語力や将来の進路、各大学の教育環境も多様です。
したがってこれまでのガイドラインを基盤としながらも、AI を適切に活用する能力、異文化間コミュニケーション、国際的な協働、そして実践的な臨床コミュニケーションなどを取り入れた新しい医学英語教育ガイドラインが必要とされているのは間違いありません。
ではそのガイドラインに新たな学修目標を盛り込み、全国の医学部で一律に教えるようにすれば良いのでしょうか?どうやら話はそれほど単純ではなさそうです。
「標準化」とは全国一律の教育をすること?
この2つの講演に続いて行われた panel discussion のテーマが、“Toward an EMP Model Core Curriculum: Balancing Standardization and Personalization” でした。ここでは、錦織先生、Skelton 先生、そして慶應義塾大学医学部の James Hobbs 教授とともに、私も panelist として議論に参加しました。
この議論の中心となったのが、医学英語教育における「標準化」と「個別化」をどのように調和させるかという問いです。
「医学英語教育を標準化する」と聞くと、全国の医学部で同じ内容を、同じ教材を使って教えることを想像するかもしれません。
しかし標準化の目的は、すべての大学で同じ授業を行うことではありません。どの医学部で学んでも、医師として必要な最低限の医学英語能力を身につける機会が保障されることです。
現在、医学英語教育の内容は大学によって大きく異なります。英語での医療面接や症例報告まで実践的に学ぶ大学もあれば、医学用語や論文読解を中心とする大学もあります。つまり、受けられる医学英語教育が入学した大学の環境に大きく左右されているのです。
医学英語教育モデル・コア・カリキュラムを策定する意義の一つは、この教育機会の格差を小さくすることにあります。
一方、日本にある82の医学部では、教員数、授業時間、学生の英語力、海外臨床実習の有無などが異なります。この現実を無視して「医療面接も症例報告も論文執筆も教えるべきである」と項目を並べても、実施できない大学が出てきます。新たな内容を求めるのであれば、教員養成、教材、評価方法、授業時間なども同時に整える必要があります。
ここで重要なのが、「何を学ぶべきか」と「どのように教えるか」を分けることです。
卒業時までに「何ができるようになるべきか」という学修成果は共有する一方、それをどの学年で、どの教材を使って教えるかは、各大学が教育環境に応じて設計すべきです。
たとえば、「患者さんから必要な情報を英語で聴取できる」という共通の学修成果に対しても、模擬患者さんとの医療面接、学生同士のロールプレイ、動画教材、オンライン学修、海外臨床実習など、さまざまな教育方法があります。
目指す「目的地」は共有しても、そこに至る「道筋」は一つである必要はないのです。
またすべての学生に保障する「基本的な学修」と、USMLE や海外臨床留学などを目指す学生のための「発展的な学修」を分けることも必要です。
つまり、標準化すべきなのは、医師が身につけるべき中核的な医学英語能力と、その質を保証する仕組みです。一方、そこに至る学修経路は、学生や大学、文化的背景に応じて個別化する必要があります。これこそが、今回の panel discussion で議論された “Balancing Standardization and Personalization” という考え方なのだと思いました。
ただし、各大学がすべての学生のニーズに応えられるわけではありません。では発展的な医学英語を学びたい学生は、どこに学修機会を求めているのでしょうか?
大学の外で医学英語を学ぶ医学生たち
今回の学術集会では、Team WADA の学生さんたちが “Rethinking Medical English Education in Japan: Bridging Educational Gaps through Student-Expert Collaboration” と題して、この問題を取り上げました。
発表を担ったのは、旭川医科大学のアンダーソン アレックス 誠治さん、三重大学の小野 晃弘さん、東北大学の小林 優希さんです。異なる大学で学ぶ3人が、医学生の立場から日本の医学英語教育の課題と解決策を提示しました。
日本には82の医学部があり、どの大学にも海外臨床実習、USMLE、国際的なキャリアに関心を持つ学生が一定数います。しかし、すべての大学がそのニーズに応えられる医学英語教育を提供しているわけではありません。そこで意欲の高い学生たちは大学の外にも学修機会を求めているのです。
その受け皿の一つが Team WADA です。国内外の65の大学・機関から約180人の学生が参加し、「海外で学び、働くための情報提供」「学生同士のネットワーク作り」「医学英語教育」を活動の3本柱としています。
Team WADA MEDS では基本的な医学英語を学び、英国で看護師として働く Rossi 真由美先生との活動では英語での医療面接を学びます。また野木真将先生が指導する Clinical Dojo では、実際の症例を使い、病歴聴取、身体診察、臨床推論、症例提示までを英語で実践します。
Clinical Dojo の参加者アンケートでは、病歴聴取・身体診察・臨床推論などの全領域で、5段階評価の平均が4.0以上となりました。海外臨床実習を経験した学生からも、体系的な症例提示の学修が実習で役立ったという声が寄せられました。
一方、このような課外活動には、自分から参加し、学び続ける主体性が必要です。自律的に学べる学生には有益でも、自分から行動することが苦手な学生には届きにくいという限界があります。
だからこそ、大学にはすべての学生に基本的な医学英語を学ぶ機会を保障するカリキュラムが必要となるのです。
今回61人の医学生を対象に行った調査でも、学生たちは英語での医療面接、臨床推論、症例を使ったディスカッション、英語 OSCE、そして医学部在学中を通した継続的な教育を求めていました。つまり英語で患者さんから情報を得て臨床推論を行い、その内容を他の医師に伝えるような実践的な医学英語教育を求めている医学生が一定数いるのです。
大学が基本的な学修機会を保障し、Team WADA のような学外コミュニティが、発展的かつ個別化された学びを支える。学生、大学教員、そして国内外の医療者が協働することで、大学間にある教育機会の格差を補うことができます。
ではこうした背景を考えた上で、大学の医学英語カリキュラムをどのように開発すればよいのでしょうか?
医学英語のカリキュラムはどうやって開発する?
今回の学術集会では、私も “A Framework for Longitudinal Medical English Curriculum Development” と題し、国際医療福祉大学 (IUHW) における6年間の医学英語カリキュラムについて発表させて頂きました。
IUHW では医学教育のカリキュラム開発で広く用いられている Kern’s Six-Step Approach を次のように活用しています。
Kern’s Six-Step Approach
Needs → Outcomes → Curriculum → Assessment → Evaluation → Improvement
最初の Needs では、「卒業時に何ができる必要があるのか」を検討します。IUHW では、国際的な医学教育基準、日本の医学教育モデル・コア・カリキュラム、JASMEE のガイドラインなどの外的ニーズと、大学のディプロマ・ポリシー、英語による医学教育、海外臨床実習などの内的ニーズを分析しました。
IUHW では1学年約140人のうち約20人が留学生で、最初の2年間は基礎医学と臨床医学を英語で学びます。また、すべての学生が海外臨床実習を経験します。この教育環境が IUHW の医学英語カリキュラムの基盤となっています。
Outcomes では、Medical English を Clinical English と Academic English に分けました。Clinical English では、History Taking、Case Presentation、Patient Note を35の主要症候を通して学びます。Academic English では、即興的な発表、口頭発表、ポスター発表、質疑応答などを扱い、その基盤となる英語力として CEFR B2 以上を目標としています。
Curriculum では、内容言語統合型学修 (CLIL)を取り入れ、1年次から6年次まで段階的に学ぶ longitudinal curriculum を構築しました。さらに USMLE セミナー、TOEFL 対策、Post-CC OSCE 対策など、学生の目標に応じて選べる課外学修も提供しています。
Assessment では、History Taking, Case Presentation, and Patient Note を Post-CC OSCE において評価します。また Oral Presentation や Poster Presentation をそれぞれパフォーマンス評価で、そして一般英語力を TOEFL ITP で評価しています。これらは成績判定の summative assessment「総括的評価」としてだけでなく、学生の継続的な成長を支える formative assessment「形成的評価」としても活用します。
Evaluation では、試験結果だけでなく、海外臨床実習での行動や学生主体の教育活動なども含め、様々なレベルでカリキュラム全体が機能しているかを評価します。
Improvement では、その結果を次年度の教育に反映します。具体的には、History of Present Illness を重視した History Taking、診断を意識した summary の導入、上級生の模擬患者としての活用などを進めています。
このように Kern’s Six-Step Approach は、共通する外的ニーズを踏まえながら、それぞれの大学が学生や教育環境に適した医学英語カリキュラムを開発するための枠組みとして機能するのです。
ではそのカリキュラムには、具体的にどのような医学英語能力を組み込むべきなのでしょうか?
臨床英語は「医療面接」だけでいいの?
今回の学術集会の panel discussion では、医学英語教育の全体像を整理するため、私から次の構造を提示しました。
Medical English = Clinical English + Academic English
Clinical English とは、英語で診療を行うための能力です。具体的には医療面接、身体診察、患者さんへの説明、症例プレゼンテーション、カルテ記載などがこれに含まれます。
一方、Academic English とは、医学という学問に参加するための英語です。英語医学論文の読解や執筆、国際学会での発表や質疑応答などが含まれます。
しかし日本の医学英語教育は低学年に集中し、その学修内容も医学用語や論文読解などの Academic English に偏る傾向があります。Clinical English として History Taking を扱う大学はあっても、その先にある Case Presentation まで体系的に教えている大学はまだ限られています。
海外臨床実習では、患者さんから英語で情報を得るだけでなく、それを整理して指導医や他の医療者に伝えなければなりません。医療面接ができても、得られた情報を共有できなければ、臨床チームの一員として働くことはできないのです。
Case Presentation は、患者さんから聞いた内容を英語で並べるだけではありません。臨床的に重要な情報を選び、一定の構造に沿って整理し、鑑別診断や今後の方針を含めて簡潔に伝えるものです。そこには医学知識、情報収集、臨床推論、情報構成、英語コミュニケーションという複数の能力が統合されています。
ハワイで St. Luke Clinic Waikiki の院長を務め、長年に渡って日本からハワイに来る医学生や医師を指導している小林恵一先生は、以前お会いした際にこうおっしゃっていました。
「医学英語の能力とは、case presentation の能力です。」
これには私も全く同感です。
英語で Case Presentation ができるということは、患者さんから必要な情報を集め、医学的に解釈し、他の医師が理解できる形で伝えられるということです。つまり、英語を使って医師として考え、医師として働く能力を反映しているのが Case Presentation の能力なのです。
したがって Clinical English のカリキュラムでは、Case Presentation を一つの到達点として位置づけ、そこから逆算して教育内容を組み立てる必要があります。まず History Taking や Physical Examination を通して必要な情報を収集し、それに臨床推論を加えて Patient Note として整理・記録する。それを状況に応じた英語表現を使って Case Presentation として他の医師に伝える。この一連の能力を段階的かつ統合的に育てていくのです。
そのためには、Clinical English を低学年だけの一時的な語学授業として扱うのではなく、臨床医学の学修に合わせて卒業時まで継続するカリキュラムが必要になります。
つまり Case Presentation を頂点とする Clinical English と、論文読解や研究発表を扱う Academic English を、いつ、どこまで学ぶのか。その道筋を示すことが、医学英語カリキュラム開発者には求められているのです。
では、このカリキュラムを支える理論や教育方法を、どのように研究し、発展させていけばよいのでしょうか?
「医学英語教育学」という学問をどう築く?
私の個人的な role model の一人に、VIA の創設者である故 Dwight Clark 氏がいます。私は VIA EHC の活動を通して、Clark 氏と出会いました。
Clark 氏は1963年、Stanford University の学生たちを率いて香港でのボランティア活動を始めました。国境を越えた交流を通して異文化への理解と共感を育みながら、常に学生たちに次の問いを投げかけていました。
“What kind of person do I want to become?”
教育者の本質は「人を育てること」です。しかし人を育てるには、その人が学び、挑戦し、成長できる「場」も必要です。Clark 氏が VIA という場を築いたように、カリキュラム、学生のコミュニティ、教育者のコミュニティ、そして学問分野を築くことも、教育者の大切な仕事なのだと思います。
今回の学術集会後の懇親会で、錦織先生は「教育者である自分が学問に救われる」とおっしゃっていました。
私だけでなく、教育者の多くは「この授業には本当に効果があるのか」「学生に必要な能力を育てられているのか」と悩んでいます。
しかしその悩みを教育学の理論に照らして捉え直せば、研究によって検証できる「問い」に変えることができます。
医学英語教育には、医学教育学、英語教育学、応用言語学など、複数の学問分野が関わっています。しかし、それらを「医師に必要なコミュニケーションを英語で行う能力の教育」という視点から統合した「医学英語教育学」は、まだまだ発展途上です。
そこで私は、教育哲学者の苫野一徳先生が『学問としての教育学』で提示した「教育学のメタ理論体系」を参考に、医学英語教育学を「哲学」「実証」「実践」の3つの部門から体系化すべきだと考えています。
哲学部門では、「医学英語教育は何のためにあるのか」を問い、その目的と価値を明らかにします。医学的専門性と言語能力を統合する力を育て、国際的な協力、患者安全、医療の質向上につなげることを目指します。
実証部門では、「どのような医学英語教育に効果があるのか」を問い、その効果と条件を明らかにします。どのような教育が、どのような学習者に、どのような成果をもたらすのかを、共通了解可能な方法で検証します。
実践部門では、「効果的な医学英語教育をどのように実現するのか」を問い、その理論と方法を明らかにします。研究成果と教育現場で得られた知見を結びつけ、CLIL を基盤としたカリキュラムや、医療面接、臨床推論、症例提示を統合した教育方法を開発します。
つまり医学英語教育に関して、「何のために教えるのか」を定め、「何に効果があるのか」を検証し、「どのように教えるのか」を開発する学問体系として「医学英語教育学」を構築するという方向性です。
2026年8月現在、私が大学教員として働くことのできる時間は、今年度を含めてあと12年です。そんな私が大学教員を定年退職するまでに実現したいことは3つあります。
1つ目は、自分が責任者を務める国際医療福祉大学の医学英語カリキュラムを継続的に改善し、世界に誇れるものに育てることです。
2つ目は、どの医学部で学んでも必要な医学英語を学ぶ機会が保障されるように、日本の医学英語教育モデル・コア・カリキュラムを策定することです。
そして3つ目は、その理論的な基盤となる「医学英語教育学」を一つの学問分野として発展させることです。
もちろん、これらは私一人では実現できませんし、個人で実現すべきものでもありません。
医学教員、英語教員、医療者、医学教育研究者、大学職員、学生、そして国内外の教育者との協働が必要であり、またその成果を受け継ぎ、さらに発展させてくれる次の世代の育成が不可欠です。
そしてこの「医学英語カフェ」も、そのための大切な「場」の一つだと考えています。
医学英語教育学がまだ十分に形作られていないのであれば、まずはその土台を築くことから始めたいと思います。そのためにもこの「医学英語カフェ」も、皆さんと一緒にその土台を築いていく場所になってもらいたいと願っています。
さて、そろそろカップのコーヒーも残りわずかです。
最後に、今回ご紹介した Kern’s Six-Step Approach to Curriculum Development を IUHW での実践に沿って簡単にまとめておきます。
Step 1:Needs「ニーズの把握」
国際的な医学教育基準、日本のモデル・コア・カリキュラム、医師国家試験、そして IUHW の留学生や海外臨床実習などを踏まえ、「卒業時にどのような医学英語能力が必要か」を検討します。
Step 2:Outcomes「学修成果の設定」
Clinical English では History Taking、Case Presentation、Patient Note、Academic English では Extemporaneous Speech、Oral Presentation、Poster Presentation を主な学修成果として設定しています。
Step 3:Curriculum「カリキュラムの構築」
CLIL を取り入れ、1年次から6年次まで Clinical English と Academic English を段階的に学ぶ longitudinal curriculum を構築しています。また、USMLE 対策や英会話などの課外プログラムも提供しています。
Step 4:Assessment「学修成果の評価」
History Taking、Case Presentation、Patient Note、口頭発表、ポスター発表などをパフォーマンス評価で評価し、一般英語能力は TOEFL ITP で評価しています。どれも summative assessment としてだけでなく、formative assessment としても機能させます。
Step 5:Evaluation「プログラムの評価」
試験結果だけでなく、海外臨床実習でのパフォーマンス、学生や教員からのフィードバック、学生の主体的な活動なども含め、カリキュラム全体が機能しているかを評価します。
Step 6:Improvement「継続的な改善」
評価によって見つかった課題を次のカリキュラムに反映します。IUHW では、HPI を重視した医療面接、診断を意識した summary、上級生を模擬患者として活用する授業などを新たに導入しています。
では、またのご来店をお待ちしております。
「Dr. 押味の医学英語カフェ」では、読者の皆さまがこの連載で取り上げてほしい医学英語のトピックを募集しています。こちらのリンクよりご希望のトピックを自由に記載してお送りください。
国際医療福祉大学医学部 医学教育統括センター 教授
押味 貴之


