医師インタビュー

【愛知/一宮西病院→麻酔科専攻医インタビュー】全国的に稀有なクローズドICU!

ICU8床・年間麻酔件数4500件以上!資格取得も手厚くサポート

私がお答えします

【 奈良 史生(なら ふみお) 医師 】
出身地:群馬県
卒業大学:福井大学医学部
JA愛知厚生連海南病院 初期研修
一宮病院麻酔科麻酔科専門プログラム 専攻医3年目

術前、術中、術後のシームレスな麻酔管理をクローズドICUで学べる

麻酔科専攻医になった理由は?

── 専門研修を麻酔科に決めた理由、時期を教えてください

奈良医師: 麻酔科の専門研修に決めたのは、初期研修1年目の後半です。診療科を一通りローテーションして、麻酔科にしました。麻酔科で身につける技術は、「集中治療」「心臓麻酔」「小児麻酔」など幅広く、マルチに活躍できると思いました。

── 専門研修先を探しているときは病院見学を行いましたか

奈良医師: 専門研修の病院見学は一宮西病院だけしかしていません。同級生から当院の評判を聞いて興味が沸き、最初に見学しました。ちなみに、その同級生は当院で初期研修を受けていました。見学でとても気に入り、結果的に当院、1病院だけの見学で専門研修先を決めた形ですね。

── 病院見学で抱いた一宮西病院の印象を教えてください

奈良医師: 上の先生たちの面倒見がよくて、専攻医や研修医に負担がかからないよう気づかっている印象でした。診療科ごとの垣根も感じなかったですね。それに立地的な面でも、名古屋が近く、無医局で異動もありません。その面でも、私にはすごくマッチしていました。

── 設備面について病院見学で何か感じましたか

奈良医師: オペ室12床(現在は19床に拡大)がフル稼働していることに驚きました。それに、麻酔科管理のICUが8床。設備面も充実している印象でした。

研修内容・指導体制は?

── 麻酔科専門研修プログラムではどのようなことを学ぶのでしょうか

奈良医師: 「手術麻酔」と「ICUの管理」。主には、この2つを並行して学びます。当院では、ほぼすべての麻酔を麻酔科の医師が担当しています。他科の手術にも参加するので、連携する機会も多いですね。外科はもちろん、泌尿器科や眼科などの先生とも頻繁にコミュニケーションを取ります。ちなみに当院の年間麻酔管理下の麻酔件数は5300件を超えています。なので、手術麻酔の症例、手技ともに幅広く経験が可能です。

── ICUと麻酔科はどのような関わり方でしょうか

奈良医師: 当院はクローズドICUシステムで各科管理ではありません。私たち麻酔科が管理をしています。術後管理は当然のこととして、救急・内科系重症患者の受け入れ、高侵襲手術後のハイリスク患者さんの全身管理も私たちが担当しています。

── ICUは専攻医何年目から経験しましたか

奈良医師: 専攻医1年目から経験させてもらっています。1年目は主に当直で経験することになります。上の先生と2人体制なので、1年目であっても特に不安なく学べました。

── 専攻医になる前からクローズドICUの経験はありましたか

奈良医師: 初期研修を受けた海南病院も麻酔科管理のクローズドICUで、母校の福井大学の医学部附属病院はオープンICUでした。なので、クローズドとオープン、双方のICUの特徴を理解して当院に入職できたと思います。

── 専攻医1年目から自分で麻酔を行うのでしょうか

奈良医師: 専攻医1年目は上の先生に付いて麻酔をかけます。専攻医2年目になると、基本的には一人で麻酔を行う流れです。ただ、心臓麻酔のように重たい症例にあたるときは、上の先生と一緒に麻酔します。それにオペディレクターというチームを指揮する役割の先生も見てくれているので、サポート体制は徹底しています。

── 一宮西病院のクローズドICUで学べることを教えてください

奈良医師: 術後管理を見据えた麻酔を意識できるようになることが大きいですね。当院では術中の麻酔の反応を見て、ICUの術後管理を調整しています。これは当院ならではの経験の場だと思います。

── 以前の勤務先と比較してICUはいかがお考えでしょうか

奈良医師: 以前勤めていた病院では、手術の担当医と同じ先生が術後を管理していました。あるときは、大手術を終えた心臓外科の先生がクタクタに疲れ果て、術後管理に集中できていないことも。その点、当院は手術と術後管理を分担しているので、そのようなことが起こり得ません。他科の先生にとっても、手術だけに専念できるのはメリットかと思います。

職場の雰囲気は?

── 学閥の有無や出身大学の偏りなどはありますか

奈良医師: 学閥はありません。全国各地から、いろいろな大学の先生がいらっしゃっています。

── 職場の雰囲気はどうでしょうか

奈良医師: 雰囲気はとてもいいですよ。先輩医師はやさしい方ばかりで、困ったときにはなんでも聞けます。

1日のスケジュールは?

奈良医師: 手術麻酔の日は次のような動きになります。

手術麻酔の1日
8:00 出勤、オペ室準備
8:30 ICUカンファレンス
9:15 手術麻酔 1件目
昼休憩 30~40分
午後 麻酔2件目・3件目(2件目と3件目の間に30分休憩)
16:30 ICUラウンド
17:20 退勤

── 1日の手術麻酔は何件ほどでしょうか

奈良医師: 平均するとだいたい3件ですね。

── ICUラウンドではどのようなことをするのでしょうか

奈良医師: その日1日のICU患者さんの症例、対応を報告するカンファレンスです。多忙な日は、非常勤の先生に業務をフォローしてもらい、参加できるようにしています。非常に勉強になるカンファレンスですよ。

当直とオンコールの頻度

── 当直は月に何回くらいでしょうか

奈良医師: 当直はだいたい週1回、月4回の頻度です。麻酔科の専攻医3、4年目まではICU当直に入ります。当直では基本的にICUを管理していますが、緊急手術が入ることもあります。当直で緊急手術に呼ばれると、麻酔科の専攻医は麻酔メインで手術に参加します。

── ICUの当直で困ることはありませんか

奈良医師: 当院は麻酔科の上の先生と2人でICU当直に入る体制です。なので、困るということはありません。サポート体制が整っていない病院だと、専攻医3年目は一人でICU当直をしていることも多いようです。当院の当直では、上の先生からたくさんアドバイスがもらえます。当直は若手医師の充実した学びの場になっていると思います。

―― オンコールは月に何回あるのでしょうか

奈良医師: 当院では、「残り番」というものがあります。残り番の日は、手術麻酔をすべて終える19時ごろに一旦帰りますが、オンコールのように自宅で待機します。残り番の日は、翌朝8時半まで自宅で待機の形を取ります。

―― 残り番の翌日の勤務はどのようになりますか

奈良医師: 早朝まで長引く手術が入ることもあります。翌日の通常勤務が大変な手術が入ったら、残り番直後の勤務が休みもしくは出勤時間の調整など、負担が少ないよう取り計らってもらえます。

―― 土日祝日はいかがでしょうか

奈良医師: 待機オンコールがあります。残り番と待機オンコールを合わせた当番が月4回程度あります。

―― 残り番とオンコールは頻繁に呼ばれるのでしょうか

奈良医師: 当院では麻酔科から当直医が2名出ている体制です。当直医だけで対応可能なことがほとんどなので、あまり呼ばれません。

外部研修は? 苦戦エピソード

── 現在、専門研修3年目でいらっしゃいますが外部研修はもう終えましたか

奈良医師: 今後、藤田医科大学に行く予定です。当院ではやっていない肝移植や新生児の麻酔、藤田医科大学ならではのICUを勉強しようと思っています。

── 一宮西病院で3年目を迎え苦労した点はありますか

奈良医師: 勉強しても、勉強しても足りないところでしょうか。当院では手術麻酔だけではなく、ICUの知識と技術も求められます。奥深く、刺激も受けるのですが、勉強は大変ですね。

一宮西病院の魅力と長所

── 一宮西病院麻酔科専門研修の長所はどこにあるでしょうか

奈良医師: 手術麻酔とクローズドICUの管理を並行して学ぶことで、双方の理解がより深まり、知識と技術が発展していきます。例えば、点滴の入れ具合、人工呼吸管理、昇圧剤の使い方。これらの手術麻酔の管理が、そのままICUに活かせています。このような学びを得られる病院は、他になかなかないと思います。

── 手術麻酔ではどのような手技を学べるのでしょうか

奈良医師: 多岐にわたって手技も経験できます。「麻酔科医がこんなところまでするんだ」と驚くこともあるほどです。胸腔ドレーンなどの挿管、神経ブロックなどの疼痛管理。他、麻酔科で人工心肺を回すこともあります。これらは手術麻酔だけでなく、ICUでも必要になる手技ですから、やはり親和性の高さを感じます。

── 珍しい症例は経験できますか

奈良医師: 整形外科で小児の手術も行っているのですが、見たことも聞いたこともない疾患を経験することがあります。脳神経外科系の症例が3次救急で来ることもあって、症例には事欠きません。

── 麻酔科の検定試験の対策はいかがでしょうか

奈良医師: 当院麻酔科の風潮として、「資格を積極的に取ろう」という雰囲気があります。J-RACE、JB-POTなども、麻酔科全体でしっかりサポートしてくれます。資格を取得した先輩医師にも質問できるので、勉強に適した環境になっていますよ。

── 将来に向けての展望を教えてください

奈良医師: 当院先輩医師のように、ICUや心臓麻酔の知識・スキルを伸ばしていきたいですね。サブスペシャルティは、今のところ集中治療を考えています。当院はいろいろ経験できる環境になっているので、興味、希望進路が変わるかもしれません。しかし選択肢が多く、軌道修正が可能なのが当院の長所の一つです。どうなるにせよ、しっかりと経験を積んでいきたいところです。

―― 奈良医師、ありがとうございました。

専攻医・シニアレジデント研修時の処遇

麻酔科募集人員
5名
勤務時間(定時)
8:30-17:20
当直
5回/月
給与
3年目:約800万円
4年目:約900万円
5年目:約1000万円

 

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