マッチング広場

東京生まれの私が夫とともに選んだ“北海道” ──「出勤は徒歩。市内で必要なものはそろう」網走市の初期研修生活

私がお答えします

【 福田 恭子(ふくだ きょうこ) 医師 】
初期研修医1年目
出身地:東京都
出身大学:信州大学医学部
所属:JA北海道厚生連 網走厚生病院
将来の希望進路:脳神経内科もしくは病理診断科
趣味:イモリ飼育、プログラミング、スキー・スノーボード

多くの診療科を院内でローテ可能――症例も豊富な北海道の初期研修

東京出身で暑さが苦手で、涼しい北海道の初期研修に興味を持つ

── 北海道で初期研修を受けようと思ったきっかけを教えてください

福田医師: 私は東京都出身で、長野県の信州大学に進学しました。信州大学周辺は山に囲まれていたので、その経験もあり、初期研修は海の見える場所で受けたいと思ったのです。それで、北海道を候補として意識し始めました。
気候にも惹かれました。私は暑さが苦手で、できれば涼しい地域で暮らしたいと思っていました。大学時代を過ごした長野も東京より涼しいとはいえ、「もう少し気温が低い場所で」と感じ、調べるうちに網走にたどり着いたのです。

夫婦で同一病院の初期研修を選択した背景とは

── ご主人も網走厚生病院で初期研修をなされていますね

福田医師: はい。夫は大学の同期で、私と一緒に長野県から北海道に移り住み、同じ網走厚生病院の初期研修をしています。

── お二人で北海道への移住を考えていたのですか

福田医師: 考えていました。というのも、私も夫も、3年目以降は入局の可能性があります。そうなると、お互い各地を転々とするので、別々の生活も考えられます。「せめて初期研修の間は一緒に過ごそう」と、マッチングを検討段階で同一地域での研修を検討していました。

4年生と5年生に病院見学── 見学は2泊3日以上を推奨

── 見学した時期や訪問した病院を教えてください

福田医師: 医学生当時、コロナ禍の影響で現地見学が制限されていました。そのような状況だったので、まずはオンラインでの「バーチャル見学会」に参加しました。オンライン上では、札幌東徳洲会病院、製鉄記念室蘭病院、網走厚生病院などの説明を受けたことを覚えています。

── 実際に北海道に足を運んだ病院見学は行いましたか

福田医師: 4年生から始めました。4年生3月に網走厚生病院と名寄市立総合病院、5年生8月に北海道大学病院、12月に釧路労災病院、翌年3月に北見赤十字病院、そして、もう一度網走厚生病院に見学しています。
北海道外だと、新潟県の病院も見学しています。

── 広大な北海道で、病院見学の泊数や回り方などで注意した点はありますか

福田医師: 私は病院1カ所あたり2泊3日の日程を組み、見学しました。2つの病院を回るときには、3泊4日で見学しています。他府県から北海道の病院見学をする医学生は、1回の旅程で複数エリアの病院を見学しないほうがいいかもしれません。移動時間と体力が予想以上にかかると思います。特に、道東地域は公共交通の便が限られているので、他府県の感覚だと困るかもしれません。時間に余裕を持った、見学スケジュールにしましょう。

── ご主人と一緒に病院見学されたのでしょうか

福田医師: はい。見学しました。二人で院内の先生方と顔を合わせられたので、この場所でみなさんと一緒に初期研修をするイメージが湧きました。なにより、二人ともオホーツク地域の景色に魅了されて、それらを踏まえて網走厚生病院が有力候補になりました。

流氷が間近に見られて夏も快適な網走の気候

── 生活環境や気候は生活してみてどのように感じますか

福田医師: 網走市の夏は涼しく、日本全国が猛暑でも、当地はジリジリ焼かれるような都会の暑さはありません。それに、夜はエアコンなしでも快適で、長袖が必要なこともあります。眠れないほどの暑さを感じたことは、ほとんどありません。
それになんといっても海は、本当に絶景です。流氷も間近に見えます。海水浴場があるような和やかな海の雰囲気とは異なっていて、自然の表情を感じられるのは、網走ならではだと思っています。

── 網走の冬は厳しいことで知られています。寒さへの心構えはいかがでしょうか

福田医師: 網走で冬を迎えるのはこれからですが、冬の光熱費に関しては、思っていたよりも安く済みそうなので安心しています。というのも、長野にいた頃はプロパンガスを使用していたため、冬場はかなり光熱費が高くなりました。北海道は建物の断熱がしっかりしていますし、その点はほっとしています。

── オホーツク海は海産物が有名ですが、普段からよく食卓に並びますか

福田医師: ニシンは頻繁に売られています。よく塩焼きにして食べています。他に、鯨肉も目にする機会が多く、とても美味しいです。

冬の網走。街のすぐ先にオホーツク海が広がり、「海が近い暮らし」を実感できる。

小児科、産婦人科は院内にあり精神科も徒歩で通える研修環境

── 網走厚生病院の初期研修の指導体制を教えてください

福田医師: 当院は病床199床と、規模が大きな病院ではなく、初期研修医も多くはありません。そのぶん他科との垣根がなく、ローテ各科の先生方から直接丁寧な指導を受けられています。それでいて、救急搬送数はそれなりにそろっており、症例の取り合いもないため、確実な経験が積めると思います。

院内業務・学習の様子。少人数だからこそ、各科の先生と距離が近く、直接教わりやすい。

── 初期研修でもっとも印象に残っていることを教えてください

福田医師: 特に心に残ったこととしては、病理解剖でしょうか。容体急変でお亡くなりになったあと病理解剖を行いました。その結果、ご存命のときとは異なるあらたな診断がつきました。そのような症例に立ち会えたのは、非常に印象に残っています。

── すでにローテートした診療科を教えてください

福田医師: 4月に入職して11月までの間で、小児科、消化器内科、産婦人科、循環器内科、精神科、外科を回りました。

── 小児科、産婦人科、精神科の研修先は網走厚生病院から遠く離れていましたか

福田医師: 小児科、産婦人科は網走厚生病院にあるので、院内で学べました。精神科も徒歩圏内の関連施設で学べるので、公宅から歩いて通勤していました。救急は1年目に3カ月間、引っ越しを伴って学ぶ予定です。

── 将来の進路をどのように考えていますか

福田医師: 脳神経内科と病理診断科に興味があって、まだ迷っています。1年目はまだいずれの診療科も回っていませんが、2年目にローテートし、どちらがより自分に合うかどうかを確かめたいと思っています。今後、専門研修プログラムの病院見学もして、そちらの雰囲気や働き方も見たうえで決めたいところです。

── 北海道や網走市ならではの症例はありますか

福田医師: まず意外だったのが熱中症患者さんがわりといらっしゃることです。気候的に、網走市の夏に30℃を超えることは滅多にありません。そのせいか、エアコン未設の住宅が多いのですが、昨今の猛暑で熱中症になる方が多いとのことです。
また、マダニ刺咬、釣り針刺入といったアウトドア・海釣りに由来する外傷・刺入例に触れる機会もあります。都市部と違って近隣の救急病院が限られる分、搬送症例を含め幅広いケースに対応する実感があります。

30代~50代の医師がバランスよく在籍──女性医師も働きやすい環境

── 病院内の医師の年齢層や男女比はいかがでしょうか

福田医師: 20代の医師は少ない印象ですが、30代、40代、50代がほぼ均等に在籍しており、年齢層のバランスは取れていると思います。特に世代間のギャップを感じることもなく、自然に相談できる雰囲気があります。
女性医師の数ですが、非常勤の先生が1人と、他院からの派遣で来られる先生がときおりいらっしゃいます。比率で言えば男性が8~9割ほどだと思います。それでも、病院全体では看護師やコメディカルの女性職員が多いため、女性医師でも働きやすい環境となっています。

当直は週1回──上級医のサポートも手厚い

── 現在の当直体制について教えてください

福田医師: 全科当直です。初期研修医は、上級医の先生と入る体制です。初期研修医の当直回数は週1回、月に3~4回の頻度で担当しています。
日直は月に1回程度で、救急患者さんの対応をしています。

100円均一やホームセンターも市内にそろう

── 普段の暮らしで感じることを教えてください

福田医師: 現在、夫と病院から徒歩圏内の公宅で生活しています。周辺にはスーパーやドラッグストアがあって、車を使えば近くにホームセンター、100円均一がそろっていて、生活に必要なものはすぐに手に入ります。隣の北見市も近いので、気軽に行けます。

市内の大型スーパー。雪の夜でも買い物できるので、日常の不便は少ない。

病院周辺には大型ドラッグストアもあって、気軽に日用品・医薬品が手に入る。

隣の北見市は車で1時間。近隣の温泉、スキー・スノーボードも楽しめる

── 趣味を教えてください

福田医師: 趣味はイモリの飼育で、自宅で2匹を飼っています。イモリは暑さが苦手で寒さに強く、北海道の気候は飼育に適しています。
また、隣の北見市には、爬虫類専門店があって、月1回ほど訪れ、飼育器具や餌を購入したり、新しい個体を見に行ったりしています。

── 休日の過ごし方について教えてください

福田医師: 休日は網走厚生病院から車で1時間程度のところにある川湯温泉によく行きます。
また、冬にはスキーやスノーボードも楽しみたいと思っています。近場に大規模な施設はないのですが、網走レークビュースキー場が車で20分程度のところにあるようです。こちらも冬になったら訪れる予定です。

── パソコンもお好きだと伺いました

福田医師: はい、医師になる前からプログラミングやOSのカスタマイズなどを楽しんでいます。そのようなパソコン作業も息抜きの一つです。

── 網走市の生活に自家用車は必要でしょうか

福田医師: なくても生活に不便はしませんが、私は医学生のときから車に乗るのが当たり前の生活です。これは個人的な感想ですが、私の場合、運転免許証は医師免許よりも先に取得を考えたいところです。

── ご夫婦で1台ずつ自家用車を所有しているのでしょうか

福田医師: 私たちは、夫婦で1台ずつ車を所有しています。しかし必須というわけでなく、私の夫が自分で車の整備を趣味にしている関係です。その影響で、私も1台所有する形になりました。網走市であれば、夫婦で1台あれば十分です。今後、双方が専攻医になると外勤など夜間の移動が増える可能性が高いので、その際は車2台体制が必須になるかもしれません。

── 夫婦で車を1台ずつ所有すると維持費もかさみそうですね

福田医師: 公宅には駐車場が完備されており、費用も家賃に含まれています。それに北海道のガソリン代は思っていたほど高くなく、維持費は想定していたほどではありませんでした。

自己学習は週10時間――学会は公用車が出ることも

── 学会には頻繁に参加なされていますか

福田医師: 札幌や旭川などで行われる学会に参加しています。病院から出張扱いとして交通費を補助していただけることもあります。

── 自己学習はどちらでなされていますか

福田医師: 業務後に医局や自宅で行っています。オンラインの講義や文献検索を活用して、週に10時間以上は勉強しています。

── 初期研修後のビジョンを教えてください

福田医師: 脳神経内科または病理診断科で専門研修を行う予定です。いずれにせよ、臨床だけでなく、研究にも携わりたいので、道内外の大学を考えています。
そのためにも、まずは網走厚生病院でしっかりとした基礎を築きたいと思っています。

医学生へのメッセージ

── 道外の医学生に向けてのメッセージをお願いします

福田医師: 私自身も経験しましたが、医学生のときは周りの噂や評判に惑わされやすい時期でした。周囲に振り回されず、自分の直感も大切にして初期研修先を決めて欲しいと思います。
北海道は広く、地域によって医療体制や気候が大きく異なります。たとえば、都市型の医療環境を希望する医学生の方は、札幌など都市部の病院も選択肢として検討できると思います。私は当院で、1つ1つの症例にじっくり向き合え、医師として総合力を養えています。少しでも興味があれば、ぜひ一度北海道に来てみてください。自然と人のあたたかさに触れながら、安心して臨床に向き合える環境が整っています。

―― 福田医師、ありがとうございました。


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