転職事例

年功序列・副業禁止の職場から環境を一新 “納得できる評価”を手に入れるまで

30代男性呼吸器内科専門医

転職を考えた時期ときっかけを教えてください

「自分と家族にとって最善なのか」――順調なキャリアのなかで疑問が浮かぶ

私は、呼吸器内科専門医として東京23区内の公立病院Kで勤務していました。病院Kに入職したのは、後期研修を修了した直後のことです。結果的に、30代後半まで長く在籍することになり、多くを学ばせてもらいました。
診療の現場を通じて、専門医としてのキャリアを順調に積み上げられたと思っていますし、その環境には素直に感謝しています。
しかし一方で、身を粉にするような日々が続くなかで、次第にある疑問が強まっていきました。
「このまま病院Kで働き続けることが、果たして自分と家族にとって最善なのか」
そんな思いが、日を追うごとに頭から離れなくなっていったのです。

症例豊富な公立病院Kに若手時代は満足していた

後期研修を終えた私は、呼吸器内科専門医としての道を進むことを決めました。悩んだ末、上京して公立病院Kに入職することにしたのです。
病院Kを選んだのは、500床以上の規模を持ち、呼吸器内科としても全国的に名が知られていたことからでした。当時、周囲の呼吸器内科医たちが「病院Kは症例が豊富で、いい経験になると思う」と背中を押してくれたことも、決断の大きな後押しになりました。
じっくり腰を据えて学びたいという思いから、自宅を病院Kの近くに構え、家族とともに引っ越しました。診療に集中できる環境が整い、生活面でも一見、安定していたように思います。
その後、病院Kで呼吸器内科専門医の資格を取得し、日々の診療に注力。
院内でも着実に実績を積み上げていくことができました。若手時代は、そうした毎日に手応えと満足感を覚えていたのですが、次第にひずみが出てきました。

医師として成長できる反面、家族との時間が減るジレンマに悩む

“中堅”と呼ばれる立場になってからは、呼吸器内科専門医としてのやりがいと責任が増す一方で、家族を取り巻く環境の変化などもあって、言いようのないジレンマを感じるようになりました。
その背景には、長女の進学があります。当時、中学受験の準備が本格化し、今後の教育費や生活設計を見据えて、収入面にもこれまで以上に意識が向くようになっていました。
それに、妻に任せっきりではなく、私自身も習い事の送迎などで家族を助けたいという思いがありました。
しかし、病院Kの勤務体制では、家庭との両立が難しく、日々の中で“手詰まり感”のようなものを抱えるようになっていったのです。

仕事に邁進――しかし年功序列の報酬体系で年収には反映されない

私は、毎日の残業は当たり前、毎週の当直もdutyとして、選択の余地なく行っていました。手技の質と量、担当患者さんの数においても、院内で上位に位置していた自負があります。
病院Kは地域の中核病院として機能しており、特にコロナ禍では、呼吸器内科には相応の慌ただしさがありました。私は患者さんを救うため、全身全霊で対応にあたってきました。パンデミックが明けた後も、その多忙さは続き、私は変わらず全力で診療に取り組んでいました。
しかし、いくら成果を挙げても、それが評価や処遇に直結することはありません。そもそも病院Kに限らず、公立病院は基本的に給与体系が一律で、年収は年功序列です。実績や成果が報酬に反映される仕組みにはなっておらず、私は次第にその限界を感じるようになっていきました。
さらに、副業も禁じられており、収入を増やすための選択肢は閉ざされていました。
「呼吸器内科専門医としての道を究めつつ、家族との時間も大切にしたい」
その思いが、私の中で転職を現実的な選択肢として意識させるようになっていったのです。

メックステーションを選んだきっかけを教えてください

希望に合わない求人紹介サービスにうんざり――そんな不満を解決してくれた『メックステーション』

実は、転職活動を始めたばかりの頃は、他社の大手医師向け転職サイトを優先して登録しました。しかし、そこで担当になったエージェントは、正直なところ、私には合わなかったのです。
たとえば、こんな提案がありました。
「この求人は年収2000万円です。ご自宅から片道2時間半ほどかかりますが、家賃補助があるので転居すれば大丈夫です。それに、呼吸器内科に特化しているわけではありませんが、内科全般を幅広くカバーできます。内科医として、マルチな力が養われます」
内科全般を診られる医師のニーズが高く、高収入の条件が提示される背景は理解できます。
しかし、私の希望とは明らかに異なります。あくまで「呼吸器内科にこだわって働きたい」「家庭の事情で転居はできない」というのが譲れない軸でした。
「年収の高望みが転職理由ではない。正当な評価をしてくれればそれで充分。転居もあり得ない。だからこそ、自分に本当に合う求人を紹介してほしい」
そんな思いとは裏腹に、現実に届く提案は、“高収入ありき”のズレた内容ばかりで、正直戸惑いを感じていました。
それで、ふと、知人の医師から「『メックステーション』は、呼吸器内科の求人も割と多くあるみたいだよ」と、聞いたことを思い出したのです。軽い気持ちで問い合わせてみたことが、転職を大きく動かすきっかけになりました。

メックステーションのキャリア相談を利用しましたか

“家庭事情をしっかり考慮”一歩踏み込んだ丁寧なヒアリング

私が受けたのは、いわゆる「キャリア相談」というよりも、転職を前提とした“要望のヒアリング”でした。『メックステーション』の担当エージェントから、私の勤務先や年収、勤務環境に加えて、現職(公立病院K)に対する不満点、そして今後の希望条件についても、丁寧に聞き取ってくれました。
中でも印象に残っているのは、家庭の事情についてもしっかりと理解を示してくれたことです。子どもの進学候補先や習い事、家庭内での役割分担といった生活スタイルまで、具体的にヒアリングしてくれました。
「それは転職先を考えるうえで非常に大事な要素ですね」と、真剣に受け止めてくれました。その結果、転職に対する迷いが徐々に薄れ、自分の決断に自信を持てるようになったのです。

視野が広がり求人の幅もぐっと広がった

『メックステーション』のエージェントから聞いた、「今と同じような働き方にこだわらなければ、可能性が広がる」という提案。非常に納得感がありました。
ヒアリング冒頭には、「内科全般を担当する医師の求人は豊富ですが、東京23区内に限定した呼吸器内科特化のポジションとなると、やはり数は限られます」と説明を受けています。その時点では判断に迷いがありましたが、エージェントは続けてこう伝えてくれました。
「ただし、職住近接が必須条件でなければ、自宅から比較的アクセスのいい23区外や、近隣他県の求人も候補に加えられます。もし東京23区外まで視野を広げられれば、U先生にとって現実的な選択肢は十分に提示できると思います」
この一言が、自分の中で転職の方向性を明確にしてくれたことを覚えています。
加えて、転職市場の現況や、呼吸器内科専門医に対するニーズなどについても、情報共有してくれたことも印象的です。
ヒアリングの終盤では、「ご希望に沿った求人を数日後にいくつかお送りします。そこから一緒に検討していきましょう」と締めくくられ、提案を待つことになりました。

メックステーションの求人の質や量はいかがでしたか

希望に合う“5件の求人”――病院Dで働きたい気持ちが高まった

ヒアリングから1週間ほどして、5件の求人が届きました。結果的には、複数の要素が揃っていた病院Dで、働きたい気持ちになりました。病院Dは、呼吸器内科専門医として専門性が活かせる体制でした。さらには、診療実績が正当に評価される仕組み、家庭事情に配慮した無理のない勤務条件も備わっていました。
そのほかの求人も、すべて通勤可能な範囲内の病院でした。埼玉県や栃木県といった都外の病院も含まれてはいたものの、「転居せずに働ける」という希望を考慮してくれていました。
また、呼吸器内科と一般内科の兼任を求められるような求人は一つもありません。前回のヒアリングで伝えた希望が反映されていました。
こうした提案内容に納得し、私は病院Dに応募することを決意しました。

応募から転職決定までのサポートはいかがでしたか

面接前に育まれた信頼関係が面接の空気を和らげた

病院Dの面接前には、『メックステーション』エージェントが、私の人柄やこれまでの実績について、履歴書や職務経歴書ではなかなか伝わらない部分まで丁寧に病院側へ伝えてくれていたようです。
そのおかげか、面接担当の先生が「公立病院Kさんにはいつもお世話になっています」と気さくに声をかけてくださり、自然な流れで会話がスタート。場の雰囲気が一気に和らいだことを覚えています。
私は話が上手なタイプではありません。だからこそ、事前に私の人物像を伝えてもらえたことは、大きな助けとなりました。
さらに、面接前には病院Dの「診療体制」「面接官の人柄」「診療科内の雰囲気」「面接で重視されるポイント」など、具体的な情報も共有してくれました。そのおかげで、面接には落ち着いて臨むことができたと思います。
日程調整や病院とのやり取りもエージェントが担ってくれたため、私は診療に集中しつつ、準備を無理なく進められました。

頼れるエージェントが転職活動のストレスを最小限に

面接から数日後、合格の連絡を受け取りました。その後の勤務条件や入職時期の調整は、『メックステーション』のエージェントが一貫してくれたので、転職活動に対するストレスを最小限に抑えられたと感じています。
退職と入職のスケジュールについては、病院K側の都合に合わせて切りのいいタイミングとし、翌年4月入職で調整しました。転職活動を始めてから入職までを通じた期間としては、およそ半年でした。

転職後の満足度はいかがでしょうか

勤務日数は減ったが年収はアップ――公正に評価される納得感

転職後は、「働いた分だけきちんと評価される」環境に移れたことに満足しています。勤務日数は週5日から週4.5日に、当直回数も月4回から月2回へと減りました。拘束時間が短くなったにもかかわらず、年収は1250万円から1500万円へと大幅にアップしました。
この背景には、病院Dが導入している実績に応じた給与体系があります。求人紹介時に聞いていた通り、実績が可視化され、それがベース給与に加算される仕組みです。
「成果がそのまま給与に反映される」という実感が得られたことで、働き方に対する納得感と、日々のやりがいの両方を感じられるようになりました。

大切な家族とやりがいのある仕事を両立

勤務時間が短縮できたことで、家族と過ごす時間が以前よりずっと確保しやすくなりました。当直が減り、休日の予定も立てやすくなり、生活リズムも落ち着いています。
通勤に関しては、片道1時間弱と以前よりも時間はかかるようになったものの、自宅が23区内、職場が23区外にあるため、通勤ラッシュとは逆方向。毎日座って移動できるため、車内では読書の時間を楽しめています。体力的にも精神的にも、負担はあまり感じていません。この点についても、『メックステーション』のエージェントから事前にアドバイスをもらっていました。「東京は通勤が大変というイメージがありますが、逆方向なら案外楽ですよ」と言われたときは半信半疑でしたが、実際に働き始めてみると、自分には合った通勤スタイルだと実感しています。

担当コンサルタントの一言

U先生は非常に誠実で、筋の通った考えをお持ちの方でした。初回のヒアリングから一貫して、「高収入」や「楽な勤務」ではなく、「呼吸器内科としての専門性を活かし、正当に評価されたい」というお気持ちを共有してくださいました。その思いに応えるため、診療内容・働き方・家庭事情を含めたうえで、ご本人が納得できる環境を探すことを第一に考えました。
ちなみに、U先生はご家族との時間を大切にされており、転職後はお子さんの中学受験をサポートしたと伺っています。無事に第1希望の中学校へ合格されたと聞き、転職によってご家庭にも良い影響が及んだことを、私としても心からうれしく感じています。

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