トピックス

医学部卒業後の進路は?臨床医以外の就職先や医学部卒業に向けたサポートを紹介

医学部を卒業した後、大学病院や市中病院などで臨床医として働く姿をイメージする人は少なくありません。一般的に、研修を経て臨床医として働くケースが非常に多いですが、一般企業で産業医として勤める人や、国家公務員として働く道を選ぶ人もいます。

今回は、医学部卒業後にどのようなキャリア選択が可能なのかを詳しく紹介します。この記事を参考に臨床医になることだけに囚われず自分に適した働き方を見つけてみてください。

医学部卒業後大半は臨床医になる

やはり医学部を卒業後、多くの人は臨床医を目指す道に進みます。臨床医になるには、まず研修医として医療現場の基本を学ぶところからスタートします。
ここでは、医師免許を取得してから専門医になるまでの過程について見ていきましょう。

医師国家試験に合格後、2年間の初期研修へと進む

2022年度(令和4年度)の東京医科歯科大学のデータによると、医学部医学科の卒業生103人のうち95人が、医師国家試験に合格した後、進路として臨床研修医を選択しています。このことからも医学部卒業後は臨床医を目指す人がほぼ全員であることがわかります。

臨床医になるには、2年間の初期研修を修了しなければなりません。指定された臨床研修病院や大学病院において、内科・外科・救急・麻酔科・小児科・産婦人科などさまざまな科で研修を行います。
研修先を選ぶ際には、「医師臨床研修マッチング」の利用が一般的です。初期研修を修了すると、「医師臨床研修修了登録証」が交付され、申請手続きによって医籍に登録されます。

3~5年の後期研修を経て専門医になる

後期研修の期間は、診療科などによって異なりますが約3〜5年です。一般的に、初期研修中の医師を「研修医」と呼ぶのに対し、後期研修の場合は「専攻医」といいます。
初期研修を修了した研修医は、より深く学びたい診療科を決定し、専門医を目指します。後期研修では、自分でできる診療業務や処置が増えるため、やりがいを感じられます。病院や学会などによって制度内容は異なりますが、研修を重ねて受験資格を得ると、専門医認定試験を受けられます。専門医資格を得れば、晴れて専門医となります。

医学部卒業後医師以外の道へ進むケース

医学部を卒業した後、選択肢は必ずしも臨床医になるだけではありません。医師国家試験に合格後、研究者になったり一般企業に勤めたりする人もいます。
具体的にどのような働き方があるのか詳しく見てみましょう。

大学院に進み研究職

医学研究には、臨床業務に従事しながら研究を行う「臨床研究」と、大学医学部などにおいて研究専従で進めていく「基礎研究」があります。そのうち、臨床研究者は、医師国家試験の合格者でなければなりません。

2022年度(令和4年度)の東京医科歯科大学では、男女合わせて103人の卒業生のうち1人が大学院研究科へ進んでいます。また、2004年度(平成16年度)に文部科学省が調査した資料によると、国立・公立・私立を合わせた全体の医学部卒業生6733人のうち、進学者は36人です。医学部を卒業後、進学して研究職を目指す人は少数派だといえます。自分の興味のある分野を深く追求し、社会貢献ができると大きなやりがいを得ることができます。

法医学医の仕事は、異常死の死因の診断や死後経過時間の推定、身元不明死体の個人識別などがあります。法医学医になるには、医師免許は必須です。臨床医を目指す場合と同様に、2年間の初期研修を受けた後、法医学の大学院に進みます。そして、法医解剖を行うために必要な「死体解剖資格」を取得します。

メジャーな診療科に比べて、全国的にみても法医学医の数は少ないのが現状です。しかし、死因究明による公衆衛生への貢献など、法医学医の仕事は社会にとって大きな役割を果たしています。

国家公務員の医系技官

医系技官とは、医師免許または歯科医師免許を有した国家公務員で、保健医療に関する制度づくりに携わります。

一般的な国家公務員とは異なり、採用の窓口は厚生労働省で、通常の採用試験などは免除されるのが特徴です。厚生労働省の本省や検疫所、内閣官房、国立病院などが勤務先となりますが、世界保健機関(WHO)などに派遣される場合もあります。

医師としての知識はもちろん、行政官としてのスキル(施策に関する知識・調整力・構想力・公正性など)も求められます。そのため、「社会全体のために働きたい」という強い気持ちが大切です。

参照:医系技官とは 厚生労働省 医系技官採用情報

一般企業に就職して産業医

産業医は、企業における労働者の健康管理などを行う仕事です。具体的には、健康診断の実施や職場巡視、労働者の仕事と治療の両立をサポートします。

産業医として働くには、医師免許の取得が必要です。そのうえで、労働者の健康管理などを行うために必要な知識に関する厚生労働省が定めた要件を満たさなければなりません。
一般的には、日本医師会の「産業医学基礎研修」を受けるか、産業医科大学の「産業医科大学講座」を修了するという方法があります。そのほか、労働衛生コンサルタント試験(試験区分は保健衛生)に合格した場合も、産業医として認められます。

参照:公益財団法人産業医学振興財団 産業医になるには

製薬会社のメディカルドクター

メディカルドクターとは、製薬会社において薬の開発に携わったり、医学の知識を新薬のマーケティング戦略などに活かしたりする仕事です。
一般的な勤務医の年収や待遇に比べると、メディカルドクターは条件が良く、ワークライフバランスも取りやすいといわれています。
しかし、新薬の研究や開発、製品価値の最大化に貢献する仕事であるため、「医師免許」以上の高度な知識や経験値が求められます。医療の発展につなげることのできる仕事は、大きなやりがいを得られるでしょう。

どの職業に就くにも、医学部の卒業がマスト!

医学部卒業後の選択肢を紹介しましたが、どの道に進むにも「医学部の卒業」と「医師国家試験の合格」が必要になります。

講義や実習などで多忙な学生生活中で、効率的に医学部卒業を目指すためにはどのような方法があるのかご紹介します。

医学部を現役で合格するために

医学部6年生で卒業試験に落ちると、国家試験を受けられず卒試留年になってしまいます。 卒業試験の問題は、各大学や先生によって科目数が異なりますが、少ない場合でも10科目、なかには30科目の試験を受けなければならない医学部もあります。医学部の卒業試験は学ぶべき科目が多いため、現役で合格するためにはしっかりとした対策が必要です。

MEC Net.を利用して医学部卒業、医師国家試験合格を果たそう

現役で卒業試験を通過し、医師国家試験に合格するには、効率的かつ効果的な対策が欠かせません。試験対策や勉強方法に悩んでいる方は、MEC Net.での学習がおすすめです。

MEC Net.では、前年度の医師国家試験の過去問を、無料かつログイン不要で利用できます。最新医師国家試験の問題演習と解説講座を受けられるため、有効な試験対策が行えるでしょう。
さらに、ログインすると、医師国家試験過去問全問とCBT演習(1〜4年生のみ提供)合計15,000問以上を解説付きで利用できます。試験勉強だけでなく、医学の豆知識やマッチング対策動画など、種類豊富なコンテンツも魅力なのでぜひご活用ください。

▶ 医学生のための学習プラットフォーム MEC Net.

まとめ

医学部卒業後は、臨床医だけでなく、研究職や産業医、メディカルドクターなどさまざまな選択肢があります。興味のある分野や、ワークライフバランスを考えながら、自分に適した仕事を探していきましょう。

また、医師としての選択肢を広げるために、「医学部の卒業」と「医師免許の取得」は必要不可欠です。MEC Net.を上手く活用しながら、合格を目指しましょう。