Dr.押味の医学英語カフェ

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こんにちは。「医学英語カフェ」にようこそ!

ここは「コーヒー1杯分」の時間で、医学英語にまつわる話を気軽に楽しんでいただくコーナーです。

本日のテーマは「米国医療を学ぶ短期留学プログラム」です。

このコーナーを読んでくださる方の中には「USMLE に合格して将来は米国で医師として働きたい」と思っている方も多いことでしょう。しかし米国の Residency Program や Fellowship Program にマッチングするためには USMLEOET に合格するだけでは不十分であり、「米国で臨床留学を経験して、その際の指導医から素晴らしい推薦状をもらう」ということが必要になります。

また漠然と「将来は国際的に活躍できる医師になりたい」と考えているものの、具体的にどんなことをすればよいのかわからないと感じている医学生も多いと思います。

そこで今月はそんな方たちにとって最適解とも言える「米国医療を学ぶ短期留学プログラム」をご紹介したいと思います。

VIA の医療系短期留学プログラムってどんなもの?
今回皆さんにご紹介したい「米国医療を包括的に学べる短期医療留学プログラム」とは、Volunteers in Asia (VIA) という米国シリコンバレーに拠点を置く非営利団体が主催する Exploring Health Care (EHC) というプログラムです。

VIA は1963年にスタンフォード大学の学生らが立ち上げた非営利の国際教育機関であり、ボランティア活動と異文化交流を通じて米国と東アジアの相互理解を深め、様々な社会課題に取り組める人材の育成のために発足しました。その後、スタンフォード大学などの協力を得て、米国にて VIA が企画した教育プログラムを東アジアの学生に提供するサービスが始まりました。その中で東京女子医科大学東京医科大学との協力で、同大学の医学部生が米国医療を包括的に学べるプログラムとして Exploring Health Care (EHC) というプログラムが1996年に始まりました。

私自身はこの VIA のプログラムに 2012年春の EHC から Faculty in Residence というポジションで学生さんたちに同行し、プログラム中に Clinical English の授業を担当させていただいております。2012年までは EHC が春休みにしかなく、また当時は基本的に東京女子医科大学と東京医科大学の2大学のみから参加者を募集していない状況でした。

そこで「全国の医学部、そして他の国の医学部からも学生が参加できるプログラムも作ろう!」ということで、Medical Exchange and Discovery (MED) という夏休みのプログラムが生まれました。これは2週間だった春休みの EHC と比べ、3週間と長めのプログラムであり、こちらの体験者の声にあるように日本だけでなく台湾の医学部生も数多く参加する素晴らしいプログラムとして発展しました。

これまでにも個人的に様々な医療留学プログラムを観察しておりますが、個人的にはこの VIA のプログラムこそ「最高の短期留学プログラム」だと断言できます。実際に参加された多くの学生さんが「人生を変える体験だった」「人生で最も楽しい時間だった」と振り返っていますし、参加された方同士の交流は今でも続いています。

その後、色々な経緯がありこの MED は春休みのプログラムと同じ名称の EHC となり、期間も2週間と短くなりましたが、参加者は日本全国、そして世界の医学部から募集しています。コロナ禍では一時 virtual program となりましたが、2023年の夏休みからは対面での EHC が再開しました。私もコロナ禍は大学業務が忙しかったこともあり参加しておりませんでしたが、2024年夏のEHCから再び Faculty in Residence として参加します。

ここがイイ! VIA Exploring Health Care の魅力
ではこの VIA EHC の何がそんなに素晴らしいのか、具体的な魅力をご紹介しましょう。

米国医療を文化的・社会的側面から包括的に学べる
海外臨床実習を米国の病院で行えば、実習先の診療科を通して米国医療の一端を知ることは可能です。しかし臨床実習を通して米国医療を文化的・社会的側面から学ぶことは困難です。

この VIA EHC では、下記の内容を扱うことで参加者が米国医療を文化的・社会的側面から包括的に学ぶことができます。
 Healthcare for underserved population
 Healthcare for minorities
 Organ transplantation
 Palliative & hospice care
 Doctor’s work-life balance
 Mental health stigma

個人的には日本の医学生の多くは文化的・社会的側面から医療を考えることを苦手としていると感じています。このような話題に関して日本の医学部での教育に満足していない学生さんにとって、この VIA EHC は理想的な学修内容を提供してくれます。

米国でのネットワークを広げることができる
冒頭で言及したように米国の Residency Program や Fellowship Program にマッチングするためには「米国で臨床留学を経験して、その際の指導医から素晴らしい推薦状をもらう」ということが必要になります。もちろん日本の医学部の先生から米国の医師を紹介してもらうことも可能だとは思いますが、医学生が米国の医師と個人的に知り合う機会は限られています。

この VIA EHC では Stanford University や University of California in San Francisco (UCSF) の医学部教員を始め、多くの米国医師や Silicon Valley で活躍されている様々な分野の専門家に guest speaker として参加していただいています。参加した学生たちはこれらの guest speakers とネットワークを広げ、プログラムが終わった後も個人的なネットワークを維持・拡大しています。

私自身も2012年春の EHC で当時 Stanford University の内分泌内科准教授として活躍されていた赤津晴子先生と初めてお会いしました。赤津先生は長年日米医学教育の架け橋としてもご活躍されており、その後国際医療福祉大学医学部の初代医学教育統括センター長として日本に戻られました。現在は国際医療福祉大学副学長としてご活躍されていますが、私が国際医療福祉大学医学部で働くきっかけとなったのもこの EHC だったのです。

また Stanford University には今も御手洗剛先生という素晴らしい先生がいらっしゃいます。救急医療分野のエキスパートでいらっしゃる御手洗先生はこちらのスピーチでも伝わるように幅広い教養を有する素晴らしい臨床医 & 医学教育者です。VIA EHC では毎年 guest speaker としてご参加いただき、参加者にとって忘れられないスピーチや emergency department での shadowing の機会などをいただいております。

この他にも毎年素晴らしい guest speakers が参加してくださる VIA EHC では、日本の医学生にとってかけがえのない networking の機会となっています。

他の大学の学生と深く繋がれる
日本には82の医学部があり、どこの大学にも米国医療や臨床留学、そして国際医療などに興味を持っている学生さんが一定数います。しかし大学の勉強や部活動が主体となっている各医学部での生活では、こういった話題に興味を持つ「仲間」と出会う機会は限られています。

この VIA EHC では「米国医療」という共通の関心を持つ全国の医学生や医療系学生と深く繋がることができます。参加者の背景は実に多様で、全国様々な大学から1年生から6年生まで多様な学年の医学生・医療系学生が参加しています。

参加者の中で学年による上下関係はありませんし、皆さんプログラムを通して本当に仲良くなります。自分の大学では出会えないような仲間との出会いを通して人間的にも成長し、プログラムが終了しても「同窓会」なるものを各地で開催し、互いのライフイベントをお祝いするような「生涯の友」となる方が多いと感じています。

Stanford University や Silicon Valley の文化を体験できる
60年の歴史を持つ VIA ですが、この団体は発足当初、Stanford University の学生がその Volunteers in Asia という名前が示す通り、アジアでボランティアをするための団体として活動していました。そのため VIA と Stanford University は今でも深く結びついており、プログラムでもこちらでご覧いただけるような広大なキャンパスを何度も訪れます。世界で2番目に広いと言われるキャンパスは、その面積が東京の山手線の内側半分とも言われている程です。各施設の素晴らしさは「世界最高峰」と呼ぶに相応しく、新しく建設された Stanford Hospital は一流ホテルのような雰囲気です。

世界の名門大学としてお馴染みの Stanford University は Silicon Valley の中心地でもあり、その文化は Google や Apple などの巨大IT企業とも共通しています。Steve Jobs 氏による Stay Hungry, Stay Foolish で有名なスピーチも、2005年の Stanford Commencement AddressStanford 大学卒業式の祝辞」として Stanford Stadium で行われたものなのです。

この Silicon Valley の思考法の1つとして Design Thinking という問題解決の思考法があります。これは「現場を抱えるコミュニティに身を置いて共感し、問題定義をしてからその解決策を数多く創造した後に具体的な解決策の prototype(試作品)を作り、それを検証しながらより良い解決策に辿り着く」という思考法です。失敗を過度に恐れる傾向が強い日本人学生にとって、こちらで紹介しているような形で Design Thinking の思考法を学べることも EHC の魅力と言えます。

また、San Francisco という観光都市を楽しめるのもこのプログラムの魅力です。米国人のスタッフの案内の元、Stanford University のロゴが入った服で身を固めて San Francisco 観光を友人たちと一緒に楽しめるのも EHC の highlights の1つと言えます。

英語で自分の意見を述べることの重要性を学べる
プログラム期間中は毎晩、その日に体験したことを小グループで振り返る reflection というセッションを行います。こうすることで自分が感じたことや学んだことを英語で言語化するということを学びます。

またプログラムを通して「自分自身について」「自分が所属する大学について」「自分が所属する地域について」「自分が所属する国について」説明を求められます。日本にいればこういったことを説明することはもちろん、考えることすらないという方が大多数だと思いますが、国際社会ではこれらのことを説明することを当たり前に求められます。

そして何より「質問の重要性」を痛感することとなります。日本の医学生に “Do you have any questions?” と聞いても全く質問が出ないことが一般的ですが、欧米では「何も質問をしないのは何も学んでいないということ」「何も質問をしないのは講師に対して失礼」「何も質問をしない者は能力が低い」という認識があります。このプログラムでは「常に質問を考える」という習慣を身につけてもらいます。特に現代社会では「答えを見つける」ことよりも「良い問いができる」ことの方が高い価値を持ちます。ですからこのプログラムへの応募の際の面接で “Do you have any questions?” と言われて、何も質問されない場合には採用される確率が低くなると思ってくださいね。

実践を通して実用的な臨床英語を学べる
プログラムは全て英語で行われるので、参加者の方には基本的な英会話能力が求められます。高い英会話能力は必須ではなく、英会話初級者の方には期間が1週間と短い春休みのプログラムとして Discovering Culture & Healthcare (DCH) というものもあります。

この DCH にはありませんが、2週間の EHC では Clinical English に関する授業があります。これは patient encounter, case presentation, and patient notes という臨床英語で重要な3つのスキルを同時に学ぶというプログラムです。参加者の学年が1年生から6年生までと多様ですが、全員が楽しみながら学べるように工夫しています。

どれも米国での臨床実習で役に立つ内容ですが、最大の特徴は実践を通してそのような実用的な臨床英語を学ぶということです。この「医学英語カフェ」を愛読されている方であっても、また異なる学びの体験ができると思います。

シンプルに楽しい!
何より最大の魅力は「シンプルに楽しい!」ということです。カリフォルニアの青い空の下、素晴らしい仲間たちと過ごす夏休みの2週間が楽しくないわけがありません。

そしてこの楽しさを生み出しているのが Diversity & Inclusion を体現している VIA という組織の文化と教育理論です。VIA は「成人学習」の理論を教育プログラムに落とし込み、緻密に計画された「能動的学習」を提供しています。

何が楽しかったの?体験者に聞いてみよう!
ではここから、実際に2023年夏の VIA EHC に医学部2年生として参加した学生さんにその体験談を語ってもらいましょう。

竹山 英里奈さん:国際医療福祉大学医学部医学科6期生(2024年5月現在3年生)

VIA EHC に参加した理由
私が EHC プログラムに参加したのは、米国の医療に深い興味を持っていたからです。このプログラムでは、米国の多様な医療施設を見学し、現地の医師や医学生と交流する機会がありました。私にとって、米国の医療について深く学ぶ貴重な機会となると考え、参加しました。

最も印象に残っている活動

特に印象に残ったのは、米国の医師とのディスカッションの機会です。(写真1)このディスカッションでは、多様なキャリアを持つ複数の医師の方々から、医療に対する熱い思いや臨床の現場での経験について聞くことができました。それぞれの医師が自らの経歴や選択した道を語る中で、米国で医療を行うことに対する私の中のイメージがより明確になりました。医師としての道が1つの決まった枠にとどまらず、様々なキャリアパスが存在することを学ぶことができました。

さらに Stanford 大学の医学生との座談会もとても印象深い体験でした。(写真2)彼らは医学の勉強だけでなく、さまざまな課外活動に積極的に参加しており、その多彩な活動内容には驚きました。例えば、途中で休学して研究をする学生や、起業をする学生など、彼らの多様なアプローチに触れることができました。休学をしない学生の方が少ないと聞き、医学の勉強以外のさまざまな学びをすることに重きを置いている現地の学生にとても刺激を受けました。

また米国のホスピスを訪れた際には、米国の医療システムの一端を垣間見ることができました。ホスピスでは、患者さんが最期を迎える際に、その人らしい形で穏やかに過ごすことが重視されていました。患者さんとその家族が、病気の進行に伴う身体的な苦痛だけでなく、精神的・社会的な支援も受けられる環境が整えられていました。さらに驚いたのは、ホスピスの運営が大部分をボランティアの方々に支えられているということでした。日本とは異なる医療制度や価値観に触れる中で、医療に対するアプローチの多様性や、人々が支え合う社会の在り方について考えさせられる貴重な体験でした。

VIA EHC に参加して変わったこと
このプログラムを通じて、米国の医療に対する多様な価値観に触れ、より広い視野で医療を捉えることができるようになりました。また、困難なことにもためらわず挑戦する精神が身につきました。プログラムでの活動はすべて私のコンフォートゾーン外のものばかりでしたが、それらの経験から多くの学びを得ました。プログラム終了後も、新たな挑戦に積極的に取り組む姿勢を持つようになりました。

参加する前にやっておいた方が良いこと
事前に米国の社会問題や医療問題について調べておいて良かったと感じました。また、プログラム中にもアクティビティーに関する資料やウェブサイトを提供していただけるのですが、それらにきちんと目を通して質問をいくつか考えてからそれぞれのアクティビティーに臨んでおいて良かったです。事前に下調べをし、質問を考えておくことで学びがより深まることを実感しました。

田村 晃子さん:国際医療福祉大学医学部医学科6期生(2024年5月現在3年生)

VIA EHC に参加した理由
私が VIA EHC に最初に興味を持った理由は、米国に行ってみたい!Stanford 大学に行ってみたい!という気持ちがあったからでした。実際に説明会にお伺いし、様々な医療施設を訪問してパネリスト達とディスカッションする機会があることを知り、ここでしかできない経験が絶対にあると思い参加しました。

最も印象に残っている活動

Unhoused people のボランティア活動サンフランシスコのダウンタウンにあるテンダーロインという地域では、路上生活を送る方達が集まっており、いくつかの支援施設があります。私は food distribution center でお昼ご飯をサーブするボランティアに参加しました。(写真3)このプログラムでもっとも印象に残った点は、食事の盛り付け方についてです。現地のスタッフの方は、フライドチキンをお皿にのせる際、より美味しく、より綺麗に見えるようにフライドチキンを置く向きにまで気を遣っていました。一見チキンの向きくらいで、何に関係があるのかと思ってしまった自分がいましたが、まさに humanizing homelessness、様々な事情を持って家を失った方達に自身と対等な立場として接し、自分が食べたいと思うような食事を提供することで、彼らの尊厳を守っているのだと感じました。

Stanford 大学を訪問した際に、Stanford 大学病院で救急医として働いていらっしゃる御手洗先生のセッションを受けました。(写真4)米国の ER での診療の流れや、日本ではない EMTALA についてなど、米国の救急の最前線で働いていらっしゃる御手洗先生からしか受けられないレクチャーをしていただきました。しかし、その中でも一番印象に残っているのは御手洗先生が学生にくださった6つの life lessons です。ここでは全てをご紹介することはできませんが、そこから先生のメンタリティを学び、セッションの最後には知らず知らずのうちに涙が溢れるほど心を動かされました。いただいた life rules はいつでも見返せるように、デスクトップに書いてあります。

プログラムの最終日に、Design Thinking についてのセッションを受けました。(写真5)このセッションではアフリカの電気が通っていない地域でも簡単に使える embrace infant warmer や、子供が楽しく MRI 検査を受けられるように作られた Dr Dietz’s MRI などの、デザイン思考によって発明されたものを学び、次いで自分たちもデザイン思考を使って医学生のメンタルヘルスの問題について取り組みました。実際にここでのアイデアをもとに、日本に帰ってきてから、自身の通う大学で、学年全体で緊張感が高まりがちな試験期間などに学生が心からリラックスして過ごせる場所を作るため、温かいお茶やお菓子を準備して先輩とざっくばらんに話す、「先輩とおしゃべりする会」を企画・開催しました。私たちが普段「仕方がない」と諦めてしまうことも、問題を持つ人々と共感することから初め、デザイン思考を使うことでより良い方向へと変わっていくのだということを学びました。

VIA EHC に参加して変わったこと
VIA EHC に参加して変わったことは、3つあります。1つ目は、米国の医療現場で働く実際の様子を、医療施設への訪問などを通して知れたこと、2つ目は reflection をする癖がついたことです。今回のプログラムでは、全てのセッションの後に reflection の時間があり、自分がどう感じたか、何を学んだか、仲間はどうだったのか、ということを共有しました。ディスカッションをした、ということで終わるのではなく、そこから何を持って帰るのか、ということをしっかりと言語化する癖がついたことは大きな収穫だと思います。そして3つ目は何よりも高い志を持つ、かけがえのない仲間ができたことです。一緒にいた時間はたったの2週間でしたが、毎日が本当に楽しく、一緒にプログラムに参加した仲間とは今でも定期的に連絡を取り合い集まっています。

参加する前にやっておいた方が良いこと
参加する前に、プログラムで扱うトピックの予習を少しでもしていくことをお勧めします!例えば臓器移植のパネルディスカッションの前には日本と米国の臓器移植の現状やシステムの違いを少し勉強してからいくと、ディスカッションの際の理解も深まりますし、どんどん良い質問ができるようになると思います。

写真一覧

米国医師とのディスカッション写真

写真1

Stanford大学の医学生との座談会写真

写真2

food distribution centerでのボランティア写真

写真3

御手洗先生のセッション写真

写真4

Design Thinkingについてのセッション写真

写真5

2名の医学生の体験談、いかがでしたか?具体的なイメージも湧いてきたでしょうか?

ここまでこのプログラムの素晴らしさを紹介してきましたが、1つ大きな「欠点」があります。それは「値段が高い!」ということです。

2024年4月現在、円安米国の物価高も相まって、サンフランシスコまでの往復航空券や自由時間での食事や娯楽費などを含めると合計で実質70〜100万円ほどかかってしまいます。応募者の状況によって VIA から数万円の奨学金制度はあるものの、やはりかなり高額なプログラムであることは事実です。ただ非営利組織が運営しているプログラムであり、営利組織が同じ内容のプログラムを運営するとなればもっと高額になると思われます。

どんな準備をしておけばよいの?
では最後に、この EHC に応募する際に参加前にどのような準備をすればよいのか簡単にご紹介しましょう。竹山さんと田村さんが語っていたように、事前に下記のような準備をすることで、より充実した経験をすることができるはずです。

自己紹介 & 大学紹介の準備
先述したように、プログラムでは「自分自身について」「自分が所属する大学について」「自分が所属する地域について」「自分が所属する国について」説明を求められます。プログラムの前半で自己紹介のプレゼンテーションがありますので、自分のことと自分が所属する大学については、しっかりと英語でプレゼンテーションできるように準備しておきましょう。

米国の医学教育に関する予習
米国の医学部での教育がどのようなものか、こちらの動画を見て基本的な内容を予習しておきましょう。また USMLE に関してはこちらにまとめてありますので、是非ご活用ください。

医療制度に関する予習
医療制度の日米比較はとても重要なトピックです。医療保険に関する用語をこちらで確認した後、こちらの動画を見て複雑な米国の医療制度の概要を理解しておきましょう。

日本の移植制度に関する予習
プログラム期間中に米国の移植制度について学びますが、日本の移植制度について知識がないと比較検討ができません。「日本臓器移植ネットワーク」のサイトで日本の移植制度の基本的事項について学んでおきましょう。

いかがでしたか?まだまだ質問があると思いますが、こちらに frequent asked questions (FAQ) がまとまっていますのでご活用ください。この医学英語カフェを読んで VIA EHC に応募したいと思った方は、こちらのサイトからご応募ください。またプログラムに関するご質問は sam.yee@viaprograms.org に直接お問い合わせください。

さて長い説明を読んで、カップのコーヒーもすっかりなくなっていることでしょう。最後に今回ご紹介した VIA EHC の魅力をもう一度まとめておきます。

 米国医療を文化的・社会的側面から包括的に学べる
 米国でのネットワークを広げることができる
 他の大学の学生と深く繋がれる
 Stanford University や Silicon Valley の文化を体験できる
 英語で自分の意見を述べることの重要性を学べる
 実践を通して実用的な臨床英語を学べる
 シンプルに楽しい!

では、またのご来店をお待ちしております。

「Dr. 押味の医学英語カフェ」では皆さんから扱って欲しいトピックを募集いたします。こちらのリンクからこのカフェで扱って欲しいと思う医学英語のトピックをご自由に記載ください。

国際医療福祉大学医学部 医学教育統括センター 教授 押味 貴之

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