
病床数386床の2次救急病院

【 川西 修平(かわにし しゅうへい)医師 】
出身地:大阪府
卒業大学:奈良医科大学医学部
2022年 奈良医科大学付属病院 初期研修(奈良県西和医療センターたすき掛け)
2024年 耳原総合病院 総合診療専門研修プログラム
総合診療科、内科、外科と一つの医局!診療科の垣根がない環境で学ぶ
耳原総合病院を選んだ理由は?
── 川西先生の出身と経歴を簡単に教えてください
川西医師: 私の生まれは大阪府で、奈良医科大学に進学しました。初期研修も奈良医科大学で受け、現在は耳原総合病院総合診療科の専攻医1年目です。
── 総合診療科を目指した時期やその理由についてお伺いできますか
川西医師:
医学生時代から総合診療科を希望しています。総合診療専門医を目指した理由は、さまざまな病気を抱えた患者さんを診られる医師になりたいからです。
「この症状は専門外だから診ることができません」とは、言いたくありません。そんな私の志向に、総合診療科が合っていると感じています。
── 総合診療科はプライマリーケア、家庭医療など幅広く選択肢があって、内科ともよく比較されています。川西先生が将来希望する分野をお伺いできますか
川西医師: 病院内の診察能力をより高めたいですし、また、患者さんのご家族や社会的な背景もしっかり捉えて病気予防に取り組める医師にもなりたいと思っています。なので、新・家庭医療専門医、病院総合診療専門医のいずれかでまだ迷っています。
── 初期研修はいかがでしたか
川西医師: 初期研修は奈良県西和医療センターのたすき掛けで、同病院1年、奈良医科大学付属病院で1年学びました。マッチング前、大阪出身ということで、他の大阪の病院も検討。実際、4、5病院ほど見学しました。検討の結果、出身大学の奈良医科大学附属病院に残ることにしました。
── マッチング時、大切にしていた条件を教えてください
川西医師: 400床程度の中規模病院で、救急や病棟管理をしっかり学びたいと思っていました。
── 耳原総合病院の総合診療専門研修プログラムを選んだ理由を教えてください
川西医師:
耳原総合病院は救急の受け入れ数が多く、加えて病院見学の際に、教育熱心な印象を受けました。救急を始め、しっかりと力を伸ばせると感じました。
他の総合診療専門研修プログラムも調べましたが、動いていないものも多くありました。その点、耳原総合病院は、過去に総合診療の専攻医が在籍しており、指導カリキュラムも確立しているようでした。
もともと関西から出たくはなかったので、耳原総合病院を選びました。
総合診療専門研修プログラムの特徴は?手技は多い?
── 川西先生は専攻医から耳原総合病院に入職なされていますね。働く上で戸惑いや不安はありましたか
川西医師: 初期研修医から専攻医に立場が変わったことによる違いはありました。専攻医となった現在は、初期研修医とは違い、自分自身で決断する機会が多くあります。その点は大変さとともに、成長のチャンスだと実感しています。他、初期研修医時代よりも時間効率を意識して働くようにもなりました。
── 時間効率を意識するのはどのような場面でしょうか
川西医師: 特に救急で意識しています。当院は救急搬送の件数が多いことから、限られた時間内で要領よく患者さんを診ないといけません。初期研修医のころは、単に目の前の患者さんを集中して診ることを求められましたが、現在はそれだけでは不十分です。タイムマネジメントを意識し、救急が回るよう心がけています。
── 専攻医となって手技の面で違いはありますか
川西医師:
まず、手技の件数自体が増えました。初期研修1年目、私は市中病院にいました。手技の件数自体はそれなりにありましたが、指導医のバックアップが手厚くて、自分から能動的に動かずともうまくいく環境でした。その影響から、スキルが伸び悩んでいたように思います。
初期研修2年目の奈良医科大学附属病院では、手技の数が多くありませんでした。
現在、当院で専攻医となり、手技の機会がしっかりと与えられ、それも自分で考えながら行えています。自信を持って手技ができるようになったと思います。
特に胸椎穿刺や腰椎穿刺は、当院に来てからぐっと成長したように感じます。

── 耳原総合病院総合診療科は、外来、救急外来、病棟管理の業務の割合はどのようになっていますか
川西医師: 総合診療科では、病棟管理6割、総合外来2割、救急外来2割といった割合です。
救急外来の体制は?総合外来には入る?
── 総合外来を受け持っているのですね
川西医師: はい。当院近辺に総合外来のクリニックがあって、その外来に週1回午前中のみ入ります。発熱や感染症などのコモンな疾患もあれば、当院救急外来に送ることもあります。この総合外来には専攻医1年目4月から入っており、1回あたり5~10名ほど診ています。
── 専攻医1年目4月から外来を担当するのは比較的早いですね。指導体制はいかがでしょうか
川西医師: 私の場合、4月の初回のみ指導医がついてくれました。フィードバックできる環境があります。また専攻医1年目は、診療で疑問点がある場合には相談できるよう科の上級医に相談できる能努ができました。
── 救急外来の頻度はいかがでしょうか
川西医師: 日勤では、週に半日のみ救急外来を担当します。
── 救急外来はどのようなチーム編成でしょうか
川西医師: 救急の上級医が1名もしくは2名、内科および総合診療科の専攻医が1名もしくは2名、初期研修医1~3名の体制です。
── 救急搬送の指導体制や雰囲気はいかがでしょうか
川西医師: 日によって異なります。落ち着いている日は、じっくり指導を受けながら学べます。
── 主治医制でしょうか。チーム制でしょうか
川西医師: 主治医制です。平均、6~8名を担当。総合診療科は30~40名の入院患者を担当しており、スタッフ医・専攻医・初期研修医で分担していますが専攻医と初期研修医は必ずスタッフ医と一緒に担当します。その時の医師数や専攻医の到達段階によってスタッフ医と専攻医・初期研修医のチーム制にしたりスタッフ医と専攻医、スタッフと初期研修医のペアで診療も行うこともあります。
指導体制と職場の雰囲気は?
── 総合診療科の医師は何名でしょうか
川西医師: 私を含めて9名います。
── 総合診療専門研修プログラムの専攻医は何名いますか
川西医師:
私のみです。私は当院5年ぶりの総合診療専攻医と聞いています。ちなみに内科専攻医の同期は4名。
外科や院外の専攻医も含めれば、15名ほど専攻医がいます。また、2025年4月には、4名の内科専攻医が入職予定。若い医師が多く、活気ある雰囲気ですよ。
── 院内医師の出身大学の偏り、学閥、入局状況についてはいかがでしょうか
川西医師: 特に学閥の雰囲気はありません。私の代は、私を含めて奈良医科大学出身の医師が多く集まっていますが、それもたまたまです。特別な理由はありません。

── 総合診療科の指導方法を教えてください
川西医師: 総合診療科では上級医にプラスして、専攻医もしくは初期研修医のチームをつくり、チームで患者さんを診ます。一つ一つの疾患を診ながら、その都度上級医から指導してもらえるスタイルです。総合診療科のカンファもあって、そちらではチーム外の他の先生からもアドバイスや意見をいただけます。
── 勉強会や学びの場はありますか
川西医師: 「ランチョンレクチャー」「一般救急カンファ」「Gp+1」などを定期的に行っています。そのような学びの場で、知識と技術を磨いています。
── 手技はどのように教えてもらいましたか
川西医師: 自信がない手技は、指導医に横についてもらいつつ、場数を踏みました。できるようになったら、任せてもらう形です。また、専門の内科医と当直がかぶったときには、集中して指導してもらえました。
── 院内の雰囲気はいかがでしょうか
川西医師: 当院は内科系、外科系など全て一つになった医局です。そのため、診療科ごとの垣根がなく、誰とでも話せる雰囲気だと思います。相談したいことがあれば、たとえ外科関連でも専門の先生に気軽に相談できます。
── 医師の年齢層や性別の割合はいかがでしょうか
川西医師: 年齢に偏りはないように思います。性別も若干男性が多いかもしれませんが、本当に少しだけ。女性が極端に少ないとは思いません。
── 関西以外の先生はどれくらいいるでしょうか
川西医師: しっかりと数えたわけではありませんが、だいたい3割の医師が関西外から当院に来ているように思います。出身は特に気にならないと思います。
── コメディカルの方々との距離感はいかがでしょうか
川西医師: 看護師、リハビリ、栄養士の方々とは、頻繁にお仕事をします。距離感が近く、何でも相談しやすいですね。
── 学会には参加していますか
川西医師: 学会の参加について、病院からの義務はありません。「何かいい症例があれば学会行ってみなよ」といった雰囲気です。ただ、私は専攻医1年目に興味深い症例をいくつも経験しました。その関係で、現在までに2回の学会参加となりました。今後も、発表用のスライドを作成します。
── 学会用の症例がたくさん集まっているのには、何か特別な理由があるのでしょうか
川西医師: 特別な活動はしていません。たまたま集まりました。流れとしては、救急でタッチした患者さんが入院。その後、病棟で担当となり、学会発表に適した症例だと判明した形です。貴重な機会をたくさん得られています。
── 川西先生が初期研修医を指導する機会は多いでしょうか
川西医師: 当院には初期研修医が1年目と2年目でそれぞれ8名います。私と同じ科にローテ中の研修医がいれば指導します。だいたい1~2名が総合診療科に回っており、必要があれば指導しています。
── 川西先生の総合診療専門研修プログラムの3年間はどのような予定でしょうか
川西医師:
専攻医1年目4~7月は総合診療科。7~9月は小児科。10~12月が糖尿病内科。1~3月がERです。
専攻医2年目4~6月が緩和ケア科、7~12月が呼吸器内科、1~3月が総合診療科となっています。
専攻医3年目は地域研修(総合診療Ⅰ)で、京都協立病院を希望しています。
1日のスケジュールは?当直・オンコール当番・日直は月何回?
── 一日の流れを教えていただけますか
ある1日の勤務(外来なし)
7:30 出勤
7:30~8:00 病棟プレラウンド
8:00~12:00 チームラウンド、検査、病棟管理
13:00~17:00 ランチョンセミナー、病棟管理、カンファレンス、病棟管理、事務作業
17:00 退勤
総合外来:火曜日or木曜日
救急外来:週1回
当直:月2回
4週8休
川西医師: 総合診療科は、7時半に出勤し、17時には退勤しています。カンファなどで遅くなる日もありますが、基本的に残業は発生しません。
── 土日の出勤はありますか
川西医師: 土日に日直が入ることもあります。いわゆる4週8休の勤務体制。日直当番は、月2回の頻度です。
── 当直は月に何度でしょうか
川西医師: 日直とは別で、当直が月2、3回入ります。専攻医1年目における当直の勤務時間帯は、17時~23時勤務、23時~翌5時休憩、5時~9時勤務。当直明けの業務はないです。
── 当直の忙しさはいかがでしょうか
川西医師: 当直では、救急車、ウォークイン、病棟コールを担当しています。日によって忙しさは大きく異なります。夏と冬は忙しくなりがちです。
── 時間外オンコールはありますか
川西医師: 総合診療科に時間外オンコールの当番はありません。
耳原総合病院の施設は?寮はある?休日の過ごし方
── 院内保育園はありますか
川西医師: はい。院内保育園を利用している先生もいます。
── 寮はありますか
川西医師: 寮や借り上げのマンションはありませんが、賃貸の手当が支給されています。
── 川西先生のお住まいは近くでしょうか
川西医師: 私は車で1時間かけて通っていますが、多くの先生方は徒歩圏内に住んでいます。当院はバスや電車でアクセスできますし、高速道路もあって交通面で不自由はありません。スーパー、コンビニ、ドラッグストアもあって、当院近辺は住みやすいと思います。
── 休日はどのように過ごしていますか
川西医師: 私は基本的には自宅でのんびりしています。当院から、大阪中心の難波は車で40分、梅田で1時間程度。中心エリアはすぐ行けるので、娯楽面で困ることもないでしょう。
ポートフォリオの状況は?専門研修修了後の進路は?
── 総合診療専門医の症例集めは順調でしょうか
川西医師: 症例は問題なく集まり、ポートフォリオ自体は大方書き終えました。総合診療のJ-OSLERの病歴要約も内科の指導医や専攻医が多い環境なので、相談しながら進められています。
── 内科専門医を取る総合診療専門医は珍しくありません。内科の専門医は検討していますか
川西医師: ダブルボードで取るかもしれませんが、メインにはしないと思います。冒頭でお伝えした通り、私の医師像の根本は、「この臓器の科だから診ません」と言わず、何でも診る医師です。なので、内科よりも総合診療科に興味があります。
── 専門研修プログラム修了後の予定はいかがでしょうか
川西医師: まだ迷っているので、全くの未定です。
── 最後に、耳原総合病院の魅力や長所はどこにあると思いますか
川西医師: たくさんの症例を経験できて、丁寧に教えてもらえるところが魅力です。さまざまな経験を積みつつ、弱点を克服しながら成長できます。興味がある先生は、一度見学にお越しください。
―― 川西医師、ありがとうございました。
専攻医・シニアレジデント研修時の処遇
- 募集人員
- 内科 4名/総合診療科 3名
- 勤務時間
- 8:45 ~17:30
4週8休制 - 当直
- 4回/月
- 給与(月額)
- 3年次 403,600円
4年次 438,600円
5年次 453,600円
(住宅手当等含む)
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