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製薬業界のメディカルドクターとして活躍できる道【Vol.2】メディカルドクターに関するQ&A/疑問にお答えします|臨床医師のキャリアパス

前回は、「メディカルドクターの業務内容や雇用条件、また現在製薬業界で活躍されているメディカルドクターの実例について( vol.1 )」を紹介しましたが、今回は実際に勤務されているメディカルドクターからの回答も含めて、メディカルドクターに関する様々な疑問にお答えします。

医師免許を取得後何年目くらいから応募できるのでしょうか?また、募集が多い診療科はあるのでしょうか?

一般的には、3~5年程度以上の臨床経験を求められることが多いです。年代としては専門医あるいはPhD取得後の30歳代で製薬企業業界へ転職、活躍される医師が多いです。診療科については、内科系および外科系など薬物療法を行う科が対象になります。


海外で活躍できるチャンスはあるのですか?

海外本社あるいは支社へ1年前後のshort stayとして赴任するケースが一般的ですが、入社した日本法人の会社を一旦退職し、その会社の海外本社へ転籍された例もあります。


外科系の診療科から製薬会社に転職した事例はあるのですか?

心臓血管外科、消化器外科、脳外科や小児外科の先生が製薬会社へ転職された例はあり、現在も活躍されています。

製薬会社へ入社後も、臨床を継続することは可能ですか?

殆どの製薬会社は臨床診療の兼業を認めていますが、勤務条件などについては、入社後の上司となる方と相談されることをお勧めします。兼業が可能な場合は、毎週1日(主に土・日曜日)臨床業務に携わっている方もいらっしゃいます。


どの程度の英語力が必要になりますか? また、どのような場面で必要になるのですか?

英語力に関しては、メールのやり取り、海外との電話やオンライン会議、海外で実施される会議への出席などが業務として発生しますので、これに対応できる英語力が必要になりますが、多くの先生方はこれら業務を行うことで上達されますし、会社が提供する英会話の社内トレーニングなどを利用して向上に努めることになります。


子育てとの両立が可能なのかを心配していますが、残業や出張はどの程度発生するのでしょうか?

フレックスタイムや在宅勤務制度を活用して子育てと両立して活躍されている先生はおられます。残業については、業務量がピークになる時期や、海外とのやり取りで早朝や夜間の対応が必要になるときに発生します。 出張の頻度は所属する部門で異なり、安全性情報では少なく、メディカルアフェアーズでは多くなりますが、オンラインの利用によりその頻度は低くなっています。

メディカルドクターの仕事の魅力や遣り甲斐はどのような点になりますか?

1人の臨床医が治療できる患者の数は限られますが、新薬の開発や医薬品に関する的確な情報を提供することで、全世界の多くの患者の治療に貢献できる点は大きな遣り甲斐になると考えられます。新しい治療薬の開発や治療方法の検討に関わることができるのも魅力になるのではないでしょうか。


医学的な専門知識以外で、メディカルドクターにはどのような能力が必要になりますか?

社内外の関係者とのコミュニケーション能力や交渉力、リーダーシップ能力、チームに溶け込んでチームプレイヤーとして貢献できる能力の他、優先順位を考えて業務を行うことも大切です。


製薬会社で勤務する上でのメリットとデメリットとして、どのようなものがありますか?

メリットとしては、ワークライフバランス(当直なし、有休消化、週休二日、フレックスタイム、テレワーク)、処遇面(収入、福利厚生、研修制度)、幅広いキャリアプランの選択肢(上位の職位、経営者、海外ポジション)、臨床診療を継続できる可能性、そして、より大きなやりがい (全世界の多くの患者様の治療に貢献)などが考えられます。一方、デメリットとしては、会議などの医学的専門業務以外の仕事の割合が多い、学会によっては専門医資格の維持が難しい、複雑な手順・規則(SOP、マニュアル、法規制等)が多い点が挙げられます。

製薬企業に転職する上で身につけておきたい必要なスキルはありますか?

英語力があれば尚良いですが、PC操作以外では必要とされる知識やスキルは特にありません。入社後にそれぞれの業務に必要なスキルを身につけられるかが重要になります。


収入面はどの程度でしょうか?

入社初年度の年収額としては、1200~1800万円の間が一般的です。また、以降は昇給が期待できます。


どのような理由で製薬会社へ転職される先生が多いですか?

ワークライフバランス(work life balance)を重視しての転職が多く、医療現場での体力的および精神的な負担、子育て中の女性医師にとって当直やオンコールがキャリア継続の大きな壁だという声もよく耳にします。ほかにも、医局人事による転勤に悩み、相談に来られる医師も増えています。

メディカルドクターのキャリアパスとしては、どのようなものが考えられるのですか?

部下となるメディカルドクターをまとめる管理職、各部門の部門長、さらには経営者として社長などに就任するチャンスがあります。欧米と比べると、日本の製薬会社で勤務するメディカルドクターの数はまだまだ少ないですが、海外では主な管理職のポジションはメディカルドクターが就いていることが多いです。


海外留学の経験は製薬会社への転職にプラスとなるのでしょうか? また、学位も取得していたほうが有利になりますか?

留学経験は、語学だけでなく異文化コミュニケーションを経験されている点でプラスになります。学位も必須ではありませんが、専門性を示す面では有利になります。


転職に関して有利に働く要素について教えてください

薬物治療に関する豊富な臨床経験が望まれる場合が多いです。また、治験や臨床研究の経験があると有利になります。

一週間の勤務日数は何日になりますか?

週5日の勤務になりますが、平日の1日を臨床研究日(臨床医としての勤務日)として認めている会社もあります。


一旦、製薬会社に入社したあと、再度、臨床医に戻ることはできますか?

可能です。その様に臨床に戻られた方もおられます。


臨床開発担当として製薬会社に入社後、メディカルアフェアーズ担当や安全性担当に異動する可能性はありますでしょうか?

本人の希望が優先されると思いますが、より幅広い経験を積むことを期待して他の部門に異動する可能性はあります。


製薬会社での女性管理職の割合はどの程度でしょうか?

2021年の調査によると、女性管理職の比率は12.5%です。内資が約10%、外資は25%という結果です。(日刊薬業2021/4/21)


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