医学生にとっての病院見学は、ともに働く同期や指導してくれる先輩医師、コメディカルの雰囲気、 それに長い時間を過ごすであろう病棟やオペ室などの医療設備、宿舎を実際に見る貴重な機会。 それに、処遇面を含めた環境の実態を直接聞くこともできるチャンスです。本特集では、そんな病院見学を3回に分けて解説します!
見学に行かないとダメ?行かないと不採用ってホント?
病院見学は病院側の採用活動の一環!
病院見学は、院内の設備や雰囲気を見られる貴重な機会であると同時に、病院が志望者の資質、人柄、熱意を観察する場にもなっています。病院見学は面接ではありません。しかし実態として、採用の判断材料にしていることを知っておいてください。遠方の病院は、なかなか見学に行くことができませんから、オンラインの個別相談会で対応していることもあります。しかしそのような病院こそ、ぜひとも現地で見学をするようにしましょう。それが、評価になります。
院長、部長、プログラム責任者らと話せる
病院によっては、院長、部長、プログラム責任者、先輩医師と会話できます。会話した方々が面接官や採用担当を務めることも。コロナ禍においてはオンラインの説明会や面談がメインでした。オンラインは数名としか話せませんから、雰囲気や熱意もうまく伝えられません。それに病院長など大御所医師は、オンラインに乗り気でないという話も。なので、ぜひ現地の病院見学で自分の名前を知ってもらい、意欲を伝えるようにしましょう。
行かなくても採用になるけど……。理想は4回程度の見学
見学に行かなくても採用は十分ありえます。しかし見学したことがない志望者が、「貴院が第1希望です」と話したところで、はたして説得力があるでしょうか。病院見学の回数は言葉では表せない本気度の表れ。初期研修の理想の見学回数は、目安として3、4回。これだけ見学すれば、熱意は十分伝えられます。しっかりと目的(救急・当直・希望科・カンファレンスなど)を持って見学するようにしましょう。単なる回数稼ぎの見学は意味がありません。その点については、十分にご注意ください。
それにローテーションする科を一通り見学できるので、科ごとの雰囲気を十分知ることもできて、一石二鳥になります。
「何度も見学に来てください」とお願いする病院も
医学生向けの説明会で、「何度も見学に来てください」とお願いされることは珍しくありません。その理由は、「当院にフィットできる学生か、じっくり知りたいから」とのこと。初期研修のマッチング前に、何度も見学し、診療科を複数見ることをお勧めします。
「当院はあえて旅費・交通費の補助をしていません」
医師が少ない地方では、初期研修医集めにも積極的。交通費、宿泊費、食事代などに助成金を出すケースもよくあります。 「観光でもなんでもいいからまずは来て、知って欲しい!」という病院がある一方で、「観光気分で来ないで欲しいです。当院はあえて旅費・交通費の補助をしていません。それくらいこちらは真剣です」。医学生にはどしどし見学に来て欲しい気持ちをグッとこらえて、このような考えのもと助成金を支給していない地域や病院もあります。観光気分の病院見学は絶対に避けましょう。基本はスーツ。髪の毛は黒色。派手なアクセサリーも避けてください。身だしなみを整え、誠実に行うようにしてださい。
マッチング対策の病院見学もこれで安心して行けます。交通費・宿泊費の支給補助には条件がありますので、興味を持った病院を見つけたら資料請求やお問い合わせをするなどして確認しましょう。
病院見学っていつから行うべき?
4年生後半から行き始めるのが吉
医学生の多くは、5年生から本格的に病院見学を始めます。ピークは5年生春・夏・冬休み。このような状況なので、シーメックコンサルタントは4年生後半から見学することを推奨しています。理由は、ピーク期の病院見学はライバルが増え、採用担当への印象が弱まってしまうからです。4年生の早い時期に見学できれば、同期のライバルと一緒に回ることも減るので、「こんな早い時期からうちに関心を持ってくれているのか」と志望度の高さを効果的に伝えられます。
■病院見学に行くタイミング
まず地元or自宅周辺の病院見学に行って慣れておこう
病院見学のコツを紹介します。最初の病院見学は、地元か自宅周辺の気軽に行きやすい病院に行って、慣れておきましょう。本命の病院は、病院見学そのものに慣れてから行くことをおススメします。実は、その順番で病院見学を行い、最初の病院見学でマッチングするケースは比較的よくあるのです。行ってみると、予想以上に自分の理想通りのこともあるようですし、地元や出身大学周辺で研修医になれば、家族や友人と頻繁に会えるため、大きな励みやサポートも得られます。もし最初の病院見学をして気に入らなかったり、失敗したりしても、本命の病院見学の糧となるので、無駄にはなりません。ぜひご検討ください。
都内人気病院は7月に見学申し込みが締め切りに!
注意点として、夏の大型連休は予約が殺到しやすいことが挙げられます。都内の人気病院は7月に申し込みの締め切りとなることも。それに、当たり前のことですが、臨床実習中(ポリクリ)は休みが取れません。そのことを踏まえて、できるだけ早めに病院見学のために動き出しましょう。
現在、マッチング病院見学を受付している病院を多数掲載しています!!随時更新(^^)興味を持った病院を見つけたら、資料請求をして繋がりを持っておきましょう。