専攻医インタビュー

【群馬/日高病院→総合診療内科専攻医インタビュー】診療科を超えた総合的な医療!

年間3,000台越えの救急搬送を受け入れる急性期中核病院

私がお答えします

【 内田 大貴(うちだ だいき) 医師 】
出身地:埼玉県
卒業大学:群馬大学医学部
日高病院 初期研修
日高病院 総合診療専門研修プログラム 専攻医2年目

地域の医療施設から頼られる日高病院! 急性期から在宅医療まで広く学べる

日高病院で初期研修を希望した理由は? なぜ総合診療専攻医に?

── 初期研修のマッチングから日高病院にいらっしゃるのですね

内田医師: 私は埼玉県東部の出身です。群馬県に来たのは、群馬大学に入学したときのこと。卒後もそのまま群馬で初期研修先を探し、当院に入職しました。

── マッチング前に決めていたことや希望はありましたか

内田医師: 医学生時代から、「小児から高齢者までと、世代、症例を区切らず、どんな患者さんにも対応できる医師になりたい」「初期対応から入院まで幅広く診たい」「分断ではなく、横断的な医療を目指したい」。そのような思いを抱いていました。患者さんのなかには、いろいろな疾患を抱えている方もいます。しかしどうしても、「この症例はうちの科じゃない」「ここまでは診るよ」など分断的な医療になっていることは否定できません。それが疑問というか、なんとかしたいと思っていました。

── 見学先はいずれも大きな病院ですが、印象はいかがでしたか

内田医師: いずれの病院でも研修医としてバリバリ働け、成長を与えてくれる場だと感じました。それに、ドクター、コメディカルともにいい人ばかり。しかし病院見学では、「自分の性格だとハード過ぎると潰れてしまうかな」とも感じました。それに成長のためには、日々出合った症例を一つずつ、じっくり振り返って勉強する時間が必要とも感じました。

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初期研修医、専攻医、指導医、コメディカルが一丸となって医療にあたる。科や年齢の垣根がない。

── 日高病院をマッチングで選んだ決め手は何でしょうか

内田医師: 当院に見学したところ、ものすごくウェルカムな雰囲気。みなさんあたたかくて自分が働くイメージが湧きました。「ここで働きたい!」そんな気持ちになりました。

── 専門研修に進む際、他の病院は検討しましたか

内田医師: 他院も見学しました。しかし正直なところ、当時の私は学びたいこと、やるべきことがたくさんありました。それだけで手いっぱいなのに他院に移るとなると、人間関係の構築や環境への適応も必要になるので気後れしたのです。それで初期研修から引き続き当院に残る方向で専門研修を考えました。

── 専門研修のプログラム選びは順調に決まりましたか

内田医師: 当院は救急科の専門研修がないので、医学生時代に迷っていた救急はいったん考えない方向で検討していました。結果、候補は3診療科まで絞れましたよ。1つ目は医学生時代から候補に挙がっていた総合診療、2つ目は総合診療とよく比較される内科、3つ目は研修医を経て重要さを痛感した整形外科です。

── なぜ整形外科専門研修プログラムが候補に挙がったのでしょう

内田医師: 初期研修を終え、ご高齢な患者さんのコモンディジーズの重要さとお悩みの方の数の多さを肌で感じました。圧迫骨折、頸部骨折など、「これらの症例の勉強は外せないな」と。ただ、整形外科は当院で専門研修を受けられません。勉強したい気持ちは強くなっていましたが、他院に行かないと学べないこともあって、候補から外れた形ですね。

── 総合診療専門研修プログラムに決めた理由を教えてください

内田医師: 初期研修の最後の最後の時期まで悩みました。当時、内科を捨てきれなかったのです。しかし結局は、初心を思い出し総合診療の道を選びました。当院の総合診療プログラムでは、救急に加え、地域医療機関、介護施設までさまざまな部門や機関と連携できます。それに、急性期医療から在宅医療までを受け持つというのは、分断的ではなく、横断的に医療技術を培いたい私にとって魅力的でした。

1日のスケジュールは?

内田医師: 当院の動きは、紹介外来日と救急外来日の2つに分かれています。今回は、紹介外来の1日の流れを簡単に紹介します。

紹介外来日の1日の動き
8:30 出勤、ミーティング(不定期)
紹介外来、病棟管理
昼休み
病棟管理
17:30 退勤

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多職種とNST回診

内田医師: 平日は朝9時から昼過ぎまで紹介外来を担当します。この紹介外来では、主に内科系の疾患を診ていて、11時に終わることもあれば、12時半までかかることも。午後は病棟管理を行います。

── 救急外来日はどのような動きになるのでしょうか

内田医師: 当院では救急科が1名体制のため、その兼ね合いで、総合診療内科が内科領域の救急外来を一部持っています。午後、救急外来日の場合は午前中に病棟管理をしています。

── 退勤時間は17:30となっていますが定時に帰れていますか

内田医師: 基本的には帰れる体制です。しかし救急外来日は、夕方に患者さんが入ってくることも。そのような日は、定時に帰ることは難しいです。しかし要領よくやれば、定時には帰れると思いますよ。

当直は月に何回?研究日はある?

── 当直はどのような体制になっていますか

内田医師: 内科系と外科系に分かれて当直を受ける体制です。私たち総合診療内科は内科系として、腎臓内科、糖尿病内分泌内科の3診療科と当直にあたっています。当直の頻度は、だいたい月2、3回ですね。

── 当直で病棟管理を行いますか

内田医師: はい。救急と病棟管理の両方を行います。

── 当直中の緊急内視鏡、カテーテルなどはどのようにしているのでしょうか

内田医師: 難しい症例の患者さんが来ると、オンコールで当院の専門の先生に相談します。それでも難しい場合は、他院に搬送しています。

── 休日はどれくらいあるのでしょうか

内田医師: まず日曜日・祝日・年末年始が休日です。加えて平日に研究日が1日あります。私の研究日は金曜日。週末の流れは、金曜日研究日、土曜日午前出勤、日曜日休日といった感じですね。

── 定例のカンファレンスはありますか

内田医師: 月曜日の午後2時にあります。

カンファレンスの様子。

救急外来は1日に平均何人?

── 救急外来では1日に何人ほど診ているのでしょう

内田医師: 波はありますが、多くて医師一人で5人程度を診ています。
病棟受け持ちは1日7人ほどです。先輩が外部病院に研修中で人手が減っている時期だと、やはり診る数は多くなります。忙しい時期は1日15名ほど受け持ちます。

── 救急車とウォークインのどちらを診るのでしょうか

内田医師: 両方を診ます。

―― 他院から患者さんが送られることはありますか

内田医師: 周辺の開業医さんから相談され、来院することがあります。 また、当院隣に平成日高クリニックがあり、そちらで受診した患者さんの緊急度が高い場合や処置が必要と思われる時は、当院の救急外来ですぐに対応します。

指導体制は?多い症例は?

── 総合診療内科は何名ほどいるのでしょうか

内田医師: 5名います。それに加えて、初期研修医が数名になります。

── どのような方に指導してもらえるのでしょうか

内田医師: 体制として、上級医、指導医がいます。他科の上級医や親しい先輩専攻医に教えてもらえるので、盛んにディスカッションができて理解度が高まると思います。上級医も積極的に指示、アドバイスをしてくれます。誰とでも相談ができるので不便は感じません。

── 総合診療科内で同期の専攻医はいますか

内田医師: 同期はいません。1年先輩と後輩に一人ずつといった形です。

── 総合診療科内から他科に移る専攻医の方もいますか

内田医師: 総合診療から他科に移った例はないと思います。しかし、他科の専攻医が総合診療プログラムに移ってくる例はありました。

── カテーテルなどの手技は学べますか

内田医師: 通常の総合診療プログラムではめったに触れません。ただ、やりたいという強い気持ちがあり、担当医のOKがもらえれば手技の場に入ることができ、学ぶ機会を得られます。手技を磨きたい先生にもおすすめです。

診療科内で、活発にコミュニケーションを取っている。

── 雰囲気はいかがでしょうか

内田医師: 風通しがよくて、かなり上の先生にも相談しやすいです。これは、私が当院を選んだ理由の一つにもなっています。どの先生も、専攻医や研修医を気にかけてくださっています。本当になんでも相談できるので、もし総合診療から別の診療科に興味が沸いても、 今後のことを気軽に相談できると思います。

── 出身大学の傾向や学閥などはいかがでしょうか

内田医師: 専攻医に限らず、診療科内にはさまざまな大学、出身の先生方がいます。学閥もありません。

病院周辺の環境とワークライフバランスは?

── 病院周辺の環境はいかがでしょうか

内田医師: こちらでは駅徒歩、数十分といった距離は当たり前のことです。車がないと生活に困るかもしれません。しかし車があると困ることはないです。高崎市は交通アクセスがよく、どこに行くにも便利です。車で1時間ほどのところに温泉やレジャー施設があって楽しめます。
当院から車で15分程度のところに高崎駅があります。東京まで新幹線で1時間弱、利便性の良い場所です。

── ワークライフバランスはいかがでしょうか

内田医師: 定時に帰れ、車で高崎まで行きやすいので、ワークライフバランスはいい方だと思います。
私は、早く帰れる日は、ジムに通っています。適度に息抜きをしつつ、ストレスをため込まないようにしています。

── アルバイトはできますか

内田医師: 認められています。私はしていませんが、研究日に他院に行っている先生はいます。

外部研修の予定は? 今後の展望は?

── 専攻医2年目の現在、外部研修はもう終えましたか

内田医師: まだ終えていません。専攻医3年目となる来年4月から原町赤十字病院で小児研修を受け、あわせてへき地医療を学ぶ予定です。来年後半は、当院の隣にある平成日高クリニックで外来を学ぶ予定です。


総身診療科プログラム3年間の例

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1年次 日高病院 
総合診療内科
日高病院 救急科 日高病院 救急科
2年次 連携施設A 小児科他 連携施設B 地域医療
3年次 自由選択 日高病院 総合診療内科

── 群馬大学付属病院に行くことはあるのでしょうか

内田医師: いいえ。今のところ考えていません。

── ポートフォリオJ-GOALの進捗はいかがでしょうか

内田医師: まだ集めている最中です。院内に総合診療の先輩がいるので、気軽に相談できます。当院周辺の高崎地区では、症例検討会が行われたり、ポートフォリオの勉強会も開催されたりと、周辺の先生方ともコネクションをつくりやすいエリアだと思います。

── プログラム修了後の展望はお持ちでしょうか

内田医師: 正直なところ、もっと時間をかけて入院患者さん一人ひとりとじっくり関わりたい思いがあります。それに、幅広い診療という意味で、救急にも興味があります。それを叶えられるのが当院だと感じます。なので、当院に残りたい気持ちが強いです。

── 開業は視野にありますか

内田医師: 私は診療に集中できる環境を望んでいます。開業となると、診療以外のこともやらないといけなくなるので、今は視野に入っていません。

日高病院と総合診療専門研修プログラムの魅力は?

── 内田先生が思う日高病院の総合診療専門研修プログラムの長所はどこでしょう

内田医師: 当院では施設ホットラインというものがあって、地域施設と連携しています。「何かあったら日高病院に」。そんな体制になっているので、多方面からいろいろな疾患をお持ちの方が来てくださいます。急性期からプライマリ・ケアまで、多様な疾患を総合的に診ることができることが、当院の特徴だと思います。

── 施設ホットラインではどのような受け入れ方をしているのでしょうか

内田医師: 一言でいえば幅広い受け入れ方です。例えばですが、神経内科的な相談があるとします。当院は神経内科を設けていませんが、まず患者さんを受け入れるところから考えます。受け入れてから、詳しい先生方と相談しながら診療にあたっています。このような体制は、貴重な学びの機会となっています。診療科ごとに区切って診ている病院だと、受け入れられずあふれる患者さんがいるかもしれませんが、当院はこのような患者さんをとりこぼさない体制です。3次救急病院ではなかなか得られない経験だと思います。

―― 内田医師、ありがとうございました。

専攻医・シニアレジデント研修時の処遇

総合診療科募集人員
3名
勤務時間(定時)
平日 08:30~17:30
土曜 08:30~12:30
週4.5日
当直
2~3回/月
給与
給与 1年次(医師免許取得後3年目)
月給 560,000円
年収 12,500,000円

 

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