専攻医インタビュー

【大阪/住友病院→総合診療科(腎臓内科)専攻医インタビュー】先輩とのペア制で余すことなく症例に触れられる!万全の指導体制!

23診療科による急性期医療を提供する都市型病院

私がお答えします

【 K.T 医師 】
出身地:愛媛県
卒業大学:大阪大学医学部
2023年 住友病院初期研修
2024年 住友病院総合診療科(腎臓内科)専攻医

「将来は大阪大学老年・総合内科で研究したい!」そんな希望の礎を築くプログラム

住友病院を選んだ理由は?他院を検討した?

── ご出身を教えてください

K.T医師: 私は愛媛県生まれです。大阪大学入学のタイミングで大阪府に来ました。卒業後は住友病院で初期研修を行い、そのまま残って総合診療科に所属。現在は腎臓内科専攻医をしています。

── 腎臓内科に興味を持ったのはいつ頃のことでしょう

K.T医師: 医学生時代に興味を持ちました。大学3年生時、老年医学の講義を受け、関心を持ちました。それ以来、健康長寿に関する研究がしたいと思うようになりました。

── マッチングの際に譲れない点はありましたか

K.T医師: 当時の希望は2つでした。「大阪府内の大阪大学関連の病院」「内科が専門ごとに細かく分かれていて医師の数が潤沢」。この点は重視していました。

── マッチング当時、何病院を見学しましたか

K.T医師: 当時はコロナ禍のため、3病院のみの見学しかできませんでした。住友病院の他、市立豊中病院と市立伊丹病院を見学しました。

── 住友病院に決めた理由を教えてください

K.T医師: 私は現在、大阪大学に入局しています。入局は医学生時代から視野に入っていました。「いずれは入局して大阪大学の老年・総合内科で健康長寿の研究をやりたい」そんな思いを持っていました。そこで、大阪大学老年・総合内科の教授に、初期研修先を相談。「住友病院はどう?老年・総合内科に進むために、大切なことを学べるよ」と当院を勧めてくれました。
私自身、住友病院の内科は診療科が分かれて揃っていることに魅力を感じました。それに研修医の数がほどよいところも気に入りました。研修医が少な過ぎると業務が大変ですし、多過ぎては症例が回ってこず、困ります。それに、見学では医局や研修医の先輩方が落ち着いていて、自分に合っているなと思いました。

── どちらのタイミングで大阪大学に入局なされたのでしょうか

K.T医師: 大阪大学への入局が正式決定したのは研修医2年目2月でした。

── 大阪大学と住友病院は関係が深いのでしょうか

K.T医師: 当院腎臓内科は腎病理カンファレンスで大阪大学腎臓内科の先生に腎生検の結果や難症例の相談をしています。当院の内科は大阪大学と関係がある診療科が多いです。

── 内科のなかでも腎臓内科を選んだ理由を教えてください

K.T医師: 初期研修で、全内科を回り、心臓血管外科、整形外科など外科系も経験。全科回った結論として、「自分は患者さんに寄り添いながら最後まで治療に関われる内科が向いている」そう判断しました。
将来を見据えると、総合的に内科を学ぶ必要があったため、腎臓内科と循環器科を検討していました。電解質にも興味があったので、最終的には腎臓内科を選びました。
腎臓は全身に関わる臓器。老化にも密接に関係しているため、総合的に内科領域を学べます。

── 住友病院でよく接する疾患など特徴について教えてください

K.T医師: 当院は大阪中心部にあります。市内の他院に比べると、患者さんの年齢層は比較的若めのように思います。70~80代の患者さんはそれなりに多いのですが、90代以上の患者さんはあまり来ない印象です。救急搬送では、働き盛りの方もたくさん来ます。
年齢層に特徴はありますが、疾患が偏る病院ではありません。幅広い症例を経験できます。

── 初期研修医から専攻医に上がる際、他院は検討しましたか

K.T医師: 初期研修を受け、不満が全くありませんでした。専門研修を決める際は、当院以外のプログラムは一切考えず、そのまま残ることを決断しました。研修医から専門研修に上がる内部上がりを希望すると、基本的には優先してもらえます。私自身、腎臓内科で専門研修を希望した際、面接など特別なことなく、スムーズに残れました。

── 初期研修では、何名の同期がいましたか

K.T医師: 6名です。専門研修で残った同期は、6名中2名。私と一緒に残った1名は現在、呼吸器内科にいます。
ちなみに2024年度から初期研修の枠が5人に減っています。

内科(腎臓)専門研修プログラムの内容は?手技は多い?

── 住友病院で初期研修医から専門研修医に立場が上がり、どのような変化を感じていますか

K.T医師: 専攻医となり、より主体的に携われるようになりました。治療方針や退院までの計画を考え、それを直接自分の言葉で患者さんに説明するようになりました。

── J-OSLERの症例集めはいかがでしょうか

K.T医師: 内科が揃っていて、症例も豊富。スムーズに症例が集まるのではないでしょうか。もし、「消化器内科の症例が足りない」となれば、腎臓内科を離れて1カ月間しっかり症例集めできます。当院で症例集めの心配はないと思いますね。

── 手技はいかがでしょうか

K.T医師: 中心静脈カテーテル留置を積極的に経験させてもらっています。腎生検に関しては、当院は専攻医がやらない方針。まだ触れていません。ちなみに蓄尿などの尿検査は病棟の方々にやっていいただく流れです。
他にもシャント造設手術も腎臓内科で行っており、私も助手で入っています。私は総合内科的な道に進みたいので、メインで手術することはなさそうです。もし腎臓内科の専門医となって、この道を進みたい先生がいれば、シャント造設もしっかり教えてもらえます。

── プログラムの3年間の予定を教えてください

K.T医師: 専攻医1年目の前半6カ月には、消化器内科、膠原病リウマチ内科を1カ月、脳神経内科と呼吸器内科を2カ月回りました。後半の11月から3年目最後まで、腎臓内科を専念して研修します。
外部病院は、専攻医2年目か3年目のいずれか、1年間行く予定です。

── 1年目前半に回る腎臓内科以外の診療科。こちらは専攻医ごとに異なるのでしょうか

K.T医師: はい。その通りです。私は、老年・総合内科に行きたいので、それを見据え、内科全般の基礎を培う回り方を選びました。

── 住友病院には腎センターがあって、腎移植も行っているようですね。専攻医も腎センターに関わるのでしょうか

K.T医師: 当院の腎センターは腎臓内科と泌尿器科が連携していて、腎臓内科専攻医もそちらで腎移植に関わります。私たち専攻医は、腎移植を希望する患者さんの担当医となって、術前検査、移植後の経過管理などをしっかり行っています。

── 腎移植は頻繁に行われているのでしょうか

K.T医師: 腎移植は腎センターに月1回ほど症例が回ってきます。

── 外部研修の予定について教えてください

K.T医師: 愛知県で研修を行う予定です。今後も大阪以外に行く先生が増えると思います。他県の候補として、兵庫県、奈良県、愛媛県、福井県、広島県などの病院が挙がっているようです。

指導体制と職場の雰囲気は?

── 指導方法はいかがでしょうか

K.T医師: 当院腎臓内科は、専攻医と指導医の先生がペアでチームを組み、回ってきた全症例を一緒に診る仕組みです。イメージとして、専攻医一人で患者さん5人を受け持つのではなく、指導医とペアで10人持つ形です。
私のペアは医師歴が約10年の先生。ペアは基本的に固定です。ペアの指導医は比較的年齢が近いので、気軽になんでも相談できます。当科は全3ペアで診察にあたっています。

── 初期研修医の指導機会は多いですか

K.T医師: 研修医が当科に来たら、ペアチームに加わり、3人チームになります。その際も、先輩指導医が指導する仕組みのため、専攻医が研修医に教えることはあまりありません。

── 病床数はどれくらいでしょうか

K.T医師: 腎臓内科と腎センターがそれぞれ病床を持っています。まず、腎臓内科ですが、腎機能がなくなっておらず、尿が出る患者さんを診ます。病床数は約10床。
腎センターは、腎代替療法に頼っておられる患者さんを抱えます。こちらの病床数は約20床となっています。
腎臓内科と腎センターは部門としては、別れているのですが、腎臓内科所属の医師が双方に所属しており、腎臓内科の専攻医は、どちらがメインということではなく、両方で診察します。

── 常時何名ほどの患者さんを持っていますか

K.T医師: 常時15~20人の患者さんをペアの指導医と受け持っています。
腎臓内科がメインで受け持っているのは、だいたい半数です。残り半数は、他科がメインとなり、私たちはサブで併診するような関わり方となっています。

── 腎臓内科の雰囲気はいがかでしょうか

K.T医師: 腎臓内科だけではなく、内科・外科ともにとても相談しやすい雰囲気です。真面目で落ち着いた先生が多く、アカデミックな雰囲気を感じます。

── 内科全体に専攻医は何名いますか

K.T医師: 1年目、2年目、3年目の内科専攻医が各年次で5名ほど在籍。腎臓内科の専攻医は各年次で1名ずついます。他院からも常に数名の専攻医が来ています。

── 他院の専攻医はどちらから来ているのでしょうか

K.T医師: 今まで聞いた限りでは、市立伊丹病院、川崎医科大学、関西医科大学の先生がいました。

── 参加するカンファレンスはいくつほどありますか

K.T医師: 週1回の腎臓内科カンファレンス、月1回の腎病理カンファレンス、週1回の内科全体カンファレンスに参加しています。

── コメディカルさんとはひんぱんに関わりますか

K.T医師: 相談事などがあれば、いつでも話せます。週1回透析に関わるコメディカルさんが参加する全体カンファレンスがあります。

── 学会の参加はいかがでしょうか

K.T医師: 今後、年に数回は内科学会に参加すると思います。先輩方は、腎臓内科学会や透析学会にも参加しているようです。一度だけですが、すでに透析関係の学会に参加しました。

1日のスケジュールは?当直と当番は月何回?

── 時間外オンコールについて教えてください

K.T医師: 専攻医2年目から腎臓内科のオンコール当番を任されます。専攻医と専門医以上の先生2人体制です。頻度は月5、6回。私はまだ専攻医1年目なので、オンコールはありません。

── 外来にはすでに入っていますか

K.T医師: 週1回午前のみ一般内科外来を受け持っています。この外来は、他の内科とシフト制で回しています。
腎臓内科の専門外来を持つのは専攻医3年目からです。

── 1日の流れについて教えてください。

ある1日の流れ
8:30 病院到着
9:00 回診
13:00 救急外来・緊急患者さん対応
18:00 退勤

K.T医師: カンファレンスがない日は、朝8時半に病院に到着。ペアの先輩と一緒に回診します。
午後は急変や救急外来からの相談が入れば処置しています。
日勤帯の当番として、救急当番と透析当番が設けられています。救急当番は週1回ほど。透析当番は週2回ほどのペースで受け持ちます。

── 住友病院はICUのある二次救急病院ですが、救急では何人ほど患者さんが来ますか

K.T医師: 当院はICUがあり重症な症例も搬送されることがあります。基本的には、2次救急に該当するような症例が多いです。季節によって変わりますが、1日10件ほど受けていて、5~6件が緊急入院になっています。

── 当直は月何日ほど任されますか

K.T医師: だいたい月3回、救急当直に入ります。専攻医もしくは初期研修医2名、上級医1名の計3人体制です。バタバタする午後10時までは、初期研修医がさらに1名入っていて、4名体制となっています。
当直明けは正午までには帰っています。

── 土曜日と日曜日の勤務については教えてください

K.T医師: 週休2日制で、土曜日と日曜日は休みです。月1日程度、休日の救急当番が回ってきます。専攻医3年目からは、さらに土日の透析当番が追加されます。透析当番は月1回ペースで回ってくるようです。

子育て・住環境は?病院周辺は過ごしやすい?アルバイトできる?

── 腎臓内科には、育児をしている先生はいますか

K.T医師: 腎臓内科には育児をしている女性医師も在籍しています。フルタイムで勤務していますが、他の内科系診療科には、子育て中の時短勤務の女性医師がいます。勤務時間をずらして働いたり、1年間の育児休暇を取ったりしている先生もいます。

── 寮はありますか

K.T医師: 病院から徒歩10分ほどの場所に住友病院関係者専用の寮があります。築年数は約5年。とてもきれいですよ。家賃は約3万5000円。私は最近、引っ越しましたが研修医だけでなく、専攻医も住めます。

── 院内食堂はいかがでしょうか

K.T医師: 昼・夜はもちろん、土日も営業。毎日利用しています。安くておいしいので、本当に満足しています。

── 専門研修プログラムを通してあらためて感じる住友病院の特徴はどこにありますか

K.T医師: やはり内科・外科ともに診療科が細かく区切られ、医師の数も潤沢なところでしょうか。医局は和やかな雰囲気。研修医や専攻医でも気兼ねなく、要望や不満を切り出しやすい環境です。
私自身、初期研修をしていたときに救急体制や給与面の不満を伝えたことがあります。若手の話をないがしろにせず、事務の方や先輩医師がしっかり受け止めてくれます。それに、しっかりと改善すべく対処してくれるので、とても満足しています。

── 入職してから変わった価値観、希望はありますか

K.T医師: 私は学生時代、臨床よりも研究に興味があるタイプでした。しかし当院で働き始めると、「なんて臨床は面白いんだろう!」「外来が向いているかもしれないな」そんなふうに感じ、寄り添った診療が性に合うと思うようになりました。自分にとって、新しい発見でした。

── J-OSLERの症例はいかがでしょうか

K.T医師: 当院で初期研修をすれば、J-OSLERの症例集めはまず困らないでしょう。専門研修から当院に来ても、1カ月回れば揃うはずです。
私は初期研修で、当院内科を全て回り、血液疾患、膠原病などの珍しい疾患も経験し、症例登録ができました。単に症例を集めるだけでなく、きっちり研修もさせてもらえるので、いい環境ですよ。

── 今後の展望についてお聞かせください。

K.T医師: 腎臓内科の専門医を取得し、数年間は当院でしっかり臨床経験を積みたいと思っています。その後は大阪大学の老年・総合内科で研究したいですね。

── 見学希望者へのアドバイスや魅力についてお話しいただけますか

K.T医師: 医局の雰囲気を見ていただきたいと思います。食堂もクオリティが高いので、そちらもぜひ試してみてください。

―― K.T医師、ありがとうございました。

専攻医・シニアレジデント研修時の処遇(2023年度実績)

募集人員
5名
勤務時間
8:30 ~ 16:45
当直
当直2.5回/月
想定年収
3年目 700万円
4年目 780万円
5年目 850万円
※いずれも時間外手当、当直手当を含む

 

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