専攻医インタビュー

【兵庫→神戸協同病院/総合診療専攻医インタビュー】「なんでも相談してもらえる守備範囲の広い医師になりたい」開業志望の専攻医が抱く思いと展望

“ 訪問診療、へき地医療、小児科 etc.”
「神戸コース」は4病院の長所をいいとこ取り!サブスペ家庭医も取得可能

私がお答えします

【 浅田 友啓(あさだ ともひろ) 医師 】
出身地:兵庫県
卒業大学:神戸大学医学部
尼崎医療生協病院 初期研修修了
兵庫民医連総合診療研修プログラム 神戸コース(総合診療専攻医4年目/サブスペ新・家庭医専攻医)

平均18時帰宅!オンコールで呼ばれたのはわずか2回!

兵庫民連総合診療研修プログラム神戸コースを選んだ理由は?

── 現在の医師歴を教えてください

浅田医師: 医師歴6年目です。総合診療専攻医4年目。サブスペの新・家庭医療専門研修も並行しています。

── まずマッチングのことについてお伺いしたく思います。医学生時代、何病院を見学しましたか

浅田医師: 見学したのは3病院です。回ったのはいずれも兵庫県内。私は兵庫県出身で、大学も神戸大学に進学しました。それで県内の病院を中心に検討することに。病院選びの情報収集では、同級生や先輩のクチコミ。就職実績を重要視しました。加えて、レジナビも活用。明石医療センター、六甲アイランド病院(現・六甲アイランド甲南病院)、尼崎医療センターに興味が湧き、実際に見学に行きました。

── 尼崎医療生協病院で研修医になったのですね

浅田医師: はい。医学生時代から内科か総合診療科。いずれかに進みたいと考えていました。マッチングでは、将来のことも見据えて順位登録。結果、尼崎医療生協病院とご縁がありました。

── 専門研修先は病院と診療科、どちらを先に決めたのでしょう

浅田医師: 先に、進むべき診療科、その次に病院の順番でした。総合内科と総合診療科。研修医時代もずっと迷い続けていました。結局は総合診療科に決め、次に生まれ育った兵庫県内で専門研修プログラムを探し始めました。このときも3病院ほど見学。考えた末に兵庫民医連総合診療専門研修プログラムにしようと思いました。

── 浅田先生のように内科と総合診療科で迷う研修医が多いと思います。なぜ総合診療科を選んだのでしょうか

浅田医師: 私は、将来的に開業も視野に入れています。そう考えると、内科全般を押さえつつ、プラスして小児科、産婦人科系のこともわかっておいたほうがいいと思いました。なんでも相談してもらえる「守備範囲の広い医師」。そんな医師を目指し、総合診療科を選びました。

神戸コースの4年間の流れ

── 総合診療の神戸コースについて教えてください

浅田医師: 神戸コースの基幹病院は神戸協同病院です。神戸協同病院と東神戸病院を主病院としていて、加えて、いたやどクリニック、神戸市立医療センター西市民病院を4年間かけて回ります。回り方も柔軟性があって、私のように一部病院には行かない方法も選べます。

── 浅田先生の4年間の流れを教えてください

浅田医師: 私は次のような回り方をしました。最終年の4年目に、初めて基幹型病院の神戸協同病院で学びます。この点は、少し特徴的かもしれません。

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後期研修
1年目
東神戸病院
総合診療専門研修Ⅱ 総合診療専門研修Ⅰ
後期研修
2年目
神戸西市民病院
内科 救急科 小児科
後期研修
3年目
豊岡病院 浜坂病院
内科 総合診療専門研修Ⅰ
後期研修
4年目
神戸協同病院
選択:総合診療専門研修Ⅰ(?)or緩和ケア 選択:総合診療専門研修Ⅱ(?)or精神科 総合診療専門研修Ⅱ

── 浅田先生はサブスペを取得しますか

浅田医師: 神戸コースの途中から、サブスペ新・家庭医も取得を目指すことにしました。順調にいけば、来年取れると思います。

1日のスケジュールは?

── 外来はありますか

浅田医師: 神戸協同病院では、週2日。火曜日と金曜日の午前中のみ外来を持っています。外来日は次のような流れで動きます。

外来日の1日の動き
日勤

8:30 出勤、カルテチェック
9:00~14:00 外来
14:00~18:00 病棟業務
18:00~18:30 事務作業
18:30 退勤

── 毎日何時ごろに退勤しますか

浅田医師: 平均すると18時台に退勤しています。遅くなっても20時前には帰っています。

── 訪問診療はどれくらいで回っていますか

浅田医師: 4年目の現在、毎週木曜日は連携クリニックで訪問診療をしています。このクリニックでは、外来も持っています。

── 訪問診療は患者さんのご自宅と施設どちらで行いますか

浅田医師: 患者さんによりけりです。ご自宅にも行きますし、介護老人保健施設などの施設関係にも行っています。

── カンファレンスは毎日ありますか

浅田医師: いいえ。定期的なものは、月曜日朝8:40~9:00の新患カンファレンスだけです。

── 研究日はありますか

浅田医師: いいえ。ありません。

── 土曜日と日曜日の勤務はいかがでしょうか

浅田医師: 土曜日は月に2回、半日出勤しています。第1、第3の奇数週出勤。もしくは第2、第4の偶数週出勤。いずれかのパターンです。第5土曜日があって出勤日が増えると、代休を取れます。日曜日はお休みです。

── 土曜日は病棟勤務でしょうか。外来でしょうか

浅田医師: 病棟勤務です。

当直は大変?オンコールは多い?

── 主治医制ですか。チーム制ですか

浅田医師: 主治医制です。

── オンコールはありますか

浅田医師: 仕組みとしてオンコールはあるものの、めったに呼ばれません。それもあってか、オンコール当番はありません。何かあったときは、基本的には当直医が対応します。オンコールは、よっぽどの急変か、主治医以外のドクターだと対応できないときだけです。どうしてもオンコール対応が難しい日は、電話で治療方針や状況説明をしています。

── 今年に入って、オンコールは何回ありましたか

浅田医師: 4月~7月で2回でした。当たり前のように呼ばれることはありません。

── 当直はどれくらいあるのでしょうか

浅田医師: 週に1回程度です。当直では、内科病棟の管理がメインですよ。

── 当直は一人ですか

浅田医師: はい一人です。外科の先生もいません。当院の救急は輪番制のこともあって、救急車はさほど多くありません。救急隊の方々も当院の体制を知っているので、来たとしても緊急度が高い症例は運ばれません。

── 当直ではどのような症例が多いでしょうか

浅田医師: 当院は2次医療病院のなかでも、際立って軽症が多くなっています。なので、基本的には検査と内服で対応できます。

── 当直明けは何時に帰りますか

浅田医師: 当院は宿日直の許可を取っています。当直が明けたらそのまま通常勤務をします。

── 一人当直、当直明けも通常勤務。この働き方についてどうのように感じていますか

浅田医師: 拘束時間自体はたしかに長いのですが、大変かと言えば、そうでもありません。当院は急性期50床の中小病院。夜間帯に患者さんがひっきりなしに運ばれる規模ではありません。当直1回の対応件数は救急車1台、ウォークイン1人程度。日によって違いはありますが、当院は他院と輪番で分担しているため大きく上振れしません。
一般的な2次救急病院で当直を経験した先生だと、「意外に楽」と感じるかもしれません。

外来は一人?週何回?

―― 外来は一人ですか

浅田医師: はい。一人で入っています。私が外来の日は指導医がフリーなので、対処できない困りごとがあれば、電話で指導医に聞けます。

―― 外来は1コマで何人くらい診ていますか

浅田医師: 30人ほど。人数だけ見ると多いのですが、ほとんどがリハビリ外来の患者さんなので、コメディカルと連携しながら診療しています。主訴について悩む新患はだいたい5、6人。新患さんは施設やクリニックからの紹介。検診で引っかかった方が多いですね。

── 救急外来は多いでしょうか

浅田医師: 救急患者さんは救急当番のところに行きます。私の外来日に診ることはありません。

── 内視鏡などの手技は行いますか

浅田医師: 通常、総合診療の専攻医は内視鏡を使いません。希望すれば、当院内科から症例を回してもらえます。

指導体制と職場の雰囲気は?

── 総合診療科で同期や後輩はいますか

浅田医師: 神戸コース1期生の同期が1名います。専攻医の後輩はいません。ちなみにですが、神戸協同病院に研修医の後輩は数名います。

── 上級医、指導医はどのような先生でしょうか

浅田医師: 神戸協同病院に年齢が近い先輩はいません。研修医を除けば私が最年少。先輩医師は私より2回り以上年齢が上です。年齢こそ離れているものの、フランクに接していただけます。私個人の性格として、積極的にコミュニケーションを取るタイプではありません。適度な距離感が心地いいですね。先生方とコンサルはよくやっています。何気ない雑談も毎日しています。

連携施設の雰囲気は?内容は?

── 東神戸病院はどのような働き方でしたか

浅田医師: 東神戸病院は、神戸協同病院と規模が同程度。2次医療の中小病院です。外来は予約外来を週1コマ4人ほど。それと新患が1人くらい。ここにいた当時、専攻医1年目だったので、外来では上級医が隣についてサポートしてくれました。他にもサポートは手厚く、新患の担当数が多くなり過ぎないよう、調整がありました。当院同様、救急車の台数が少なく、無理なく働けました。

── 東神戸病院は選択で精神科や緩和ケアも研修できるようですね

浅田医師: はい、選択可能です。ちなみに私は総合診療科でもっと学びたかったので、精神科と緩和ケアは選択していません。

── 東神戸病院で記憶に残っていることはありますか

浅田医師: とても歓迎ムードだったことを覚えています。ドクターやコメディカルがものすごく優しく接してくれました。

── 神戸西市民病院はどのようなことをしていましたか

浅田医師: 専攻医2年目に1年間行っていました。前半6カ月は内科、後半3カ月は救急科、残りの3カ月が小児科でした。ちなみに神戸西市民病院も2次医療病院です。

── 神戸西市民病院で手技はしましたか

浅田医師: はい。内科にいた6カ月間は手技をしていました。回ったのが総合内科、糖尿病内科、呼吸器内科。行った手技としては、中心静脈カテーテル、腰椎穿刺、気管支鏡です。

── 神戸西市民病院の救急科ローテはどのようなに感じましたか

浅田医師: 神戸西市民病院には救急科がありません。内科が救急を受け持ちます。救急専従というよりは、内科所属に近い働き方でした。内科研修時期は救急当番が週1回。救急科研修の時期になると救急のコマ数が増え、救急中心の研修になりました。

── 神戸西市民病院の小児科ローテはどのようなに感じましたか

浅田医師: 「重症ではないけど開業医では見きれない」。小児科はそんな症例が多かったですね。入院はそれなりにありましたし、新生児も多かったですね。しかし総合診療でメインとなるような小児の発熱などはあまりたくさん触れていません。

── 豊岡病院はどのような働き方でしたか

浅田医師: 豊岡病院はドクターヘリやドクターカーも受け入れる3次救急。神戸コースで回る病院のなかでは一番規模が大きかったですね。私は循環器内科医、消化器内科、脳神経内科を学びに行っていたこともあって、救急はノータッチでした。

── 豊岡病院の内科では内視鏡、カテーテル、t-PAなどに触れましたか

浅田医師: 内視鏡は1日3件程度。カテーテルは循環器内科が数カ月と短く、これまで頻繁に触れていなかったこともあって見送りに。超急性期の脳梗塞で運ばれてくる人もいますが、タイミングの問題で自分は一度も当たりませんでした。

── 浜坂病院はどのような働き方でしたか

浅田医師: 浜坂病院は病床数が49床と小規模。ここでは外来と訪問診療を経験しました。へき地医療病院なので、設備がない中でどのようにマネジメントするか。そんな実践能力を養いました。

── 浜坂病院で印象に残っていることはありますか

浅田医師: 訪問診療をしていたら、釘を踏んだ患者さんがいました。本人はケロッとしているのですが、明らかに足が腫れています。場合によっては骨を削るような手術が必要。大きい病院に送るか、様子を見るか迷いました。最終的には送ることに。結果、手術せずに治りました。この体験は、とても印象に残っています。

神戸協同病院の魅力・特徴は?

── ポートフォリオは順調でしょうか

浅田医師: すでに書き始めていますが、やはり大変なところも。今年から兵庫県内で専攻医のポートフォリオ学習会が始まったので、参加しています。この学習会は月2回。オンライン開催です。ここで書き方を調べたり、他プログラムの専攻医と交流したりして刺激をもらっています。加えて神戸コースの指導医が月1回ポートフォリオ作成支援をしてくれていますよ。

── 浅田先生はどんな方が総合診療専門医に向いていると思いますか

浅田医師: いろいろ考えたい医師が向いていると思います。私たちは患者さんの社会的背景を加味しつつ、病態を見ます。さまざまな判断材料を組み合わせて考えたい先生は、やりがいを感じるのではないでしょうか。

── 神戸コースの魅力や長所を教えてください

浅田医師: 歴史がまだ浅いので、まだ手探りのプログラムだと思います。私と同期は外部研修の行き先も違っているなど、かなりの自由度があります。私たち専攻医側の意見を聞きつつ、日々改良しているのもいい点でしょう。今年度からは、神戸市内の病院同士の連携もより頑張って強化中。魅力的な街、神戸で、集中して学べることも長所だと思いますよ。

―― 浅田医師、ありがとうございました。

専攻医・シニアレジデント研修時の処遇

総合診療科募集人員
2名
勤務時間(定時)
平日 8:55~17:00
土曜 9:00~13:00
当直
2~4回/月
給与
3年目:700万円
4年目:750万円
5年目:810万円

 

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