専攻医インタビュー

【大阪/北摂総合病院→内科(消化器)専攻医インタビュー】医局が外科と同じで垣根を越えた連携、学閥もなく和気あいあいとした環境

217床・14標榜診療科目の急性期総合病院

私がお答えします

【 疋田 千晶(ひきだ ちあき) 医師 】
出身地:京都府
卒業大学:大阪医科薬科大学医学部
2023年 北摂総合病院初期研修
2024年 北摂総合病院内科(消化器)専攻医

内科と外科が同じ医局!垣根がないからコンサルもスムーズ

北摂総合病院を選んだ理由は?他院を検討した?

── 現在、入局されていますか

疋田医師: はい。大阪医科薬科大学の第2内科に入局しています。北摂総合病院内科は、入局が必須条件ではありません。他校出身の先生もいますが、大阪医科薬科大学出身の方がほとんどを占めています。

── マッチング時、北摂総合病院以外を見学したり、検討したりしましたか

疋田医師: 他院は、ほぼ検討していません。北摂総合病院以外の候補は、出身の大阪医科薬科大学くらいでしたね。生まれ育った大阪府内の消化器内科で専門研修を受けたくて、そのように思いました。

── 北摂総合病院を見学した時期と印象を教えてください

疋田医師: 大学5年生の病院実習で当院に来ました。そこで興味を持ち、5年生夏にもう1度見学。結果、第1希望となりました。

── 初期研修が終わるタイミングで、他院の専門研修を検討しましたか

疋田医師: いいえ。見学はおろか、考えすらしていませんでした。私は、初期研修から当院の消化器内科の専門研修プログラムを受けたく思っていました。その希望は、周りの指導医の先生方にも伝えていて、専門研修が始まる前から「外部研修はどこにしましょう」など、先々の話も出ている状況でした。なので、他院を検討せず、そのまま内部上がりとなりました。

── 初期研修1年目からすでに内科の専門研修を考えていたのでしょうか

疋田医師: はい。ただし、希望通りにならないこともあり得ましたスムーズに内科の専門研修プログラムを受けられ、本当に恵まれていたと思います。

── 内科のなかでも、消化器内科に決めたのはいつごろでしょうか

疋田医師: 大学生時代です。5年生の実習で、さまざまな科を見て回り、「マイナー科よりもメジャー科の方がいいかな」と考えるようになりました。言うまでもなく消化器内科はメジャー。それに、扱う疾患が幅広く、処置も多様。「心身が最も充実している20代のうちに経験を積みたいな」。そんな気持ちになって、消化器内科の専攻医を目指すようになりました。

── 初期研修の同期は何名いたでしょうか

疋田医師: 初期研修の同期は、私を含めて合計2名でした。当時、1年上も2名おり、全体で研修医は4名いました。

── 現在、消化器内科の専門研修プログラムに先輩はいますか

疋田医師: 2年上の先生が私と同じ内科専攻医のプログラムで学んでいます。

内科専門研修プログラムの特徴は?手技は多い?

── 内科専門研修プログラムの3年間の予定を教えてください

疋田医師: 内科のプログラムは、1年間は他都道府県に出ないといけません。ただ、消化器内科の専攻医は行き先がほぼ決まっており、1年間は兵庫県の宝塚市立病院に行く予定です。
宝塚市立病院は大阪医科大学とも関りが深い病院です。知り合いの先生もいるので、安心して研修できると思っています。それに、当院から近くて、通いやすいのも魅力的。それ以外の期間は、基本的には当院の消化器内科のみで研修を受けます。

── 北摂総合病院の初期研修と専攻医で働き方など変わった点はありますか

疋田医師: 大きく異なっているのは、患者さんと直接コミュニケーションをとることと、決断の数です。研修医時代は、常に指導医がそばにいたので、何事も相談や指導を受けながら診察できました。しかし、専攻医はそうはいきません。おおまかな治療方針は相談していますが、処方などの細部は自分で判断しないといけません。また、患者さん本人やご家族への治療方針の説明も自分で話しています。

── 患者さんへの説明も自分でやっているのですね

疋田医師: はい。専攻医1年目4月から患者さんを持ち、自分でアセスメントしています。4月は患者さんのICを指導医と一緒に行い、説明文の作成も相談していました。5月以降は全部自分で行っています。

── 手技の経験や指導はいかがでしょうか

疋田医師: 私は消化器内科の専攻医となる予定だったので、それを見据えて初期研修2年目3月から内視鏡のトレーニングを受けていました。その当時は患者さんに内視鏡を使いはしなかったのですが、技師さんに指導を受け、器具を使う練習はしていました。

── 内科専攻医1年目の現在、内視鏡などの手技はいかがでしょうか

疋田医師: 内視鏡は徐々に覚えています。専攻医となってからの話をすると、例えば胃カメラだと鎮静剤を用いるところから始まり、次のステップでは口から胃カメラを入れるレクチャーを受けました。経鼻の内視鏡もすでに経験。近い将来は、人間ドックなどの患者さんの胃カメラを自分が行う予定です。ちなみにERCPも5件ほど経験しています。内視鏡と並行して、所見も教わっています。

救急外来の体制は?外来の内容は?

── 北摂総合病院は2次救急病院ですが、救急外来ではどのような方が多いでしょうか

疋田医師: 多いのは他施設からの紹介です。特に誤嚥性肺炎の方が多くいます。意識障害などの重篤な傷害はほとんどなく、そういった患者さんは近隣の3次の病院に運ばれているようです。
消化器系の疾患で多いものは、下血、吐血、急性アルコール中毒、胆管炎、腸閉塞などとなっています。

── ERもあるのでしょうか

疋田医師: はい。当院はERもあります。初期研修から、頸部骨折などを経験させてもらいました。当院の方針もあって、研修医時代に救急関連は徹底的に教え込んでもらえました。JMECCが院内開催なので優先的に受けられますし、院内の他の先生と継続的に研鑽を積んでいます。

── 救急外来はどれくらいの頻度で入っているのでしょうか

疋田医師: 当番制で、頻度は週1回です。現在、院外の救急医の先生で体制が強化されているので、今後は変わるかもしれません。

── 消化器内科の病床数はどれくらいありますか

疋田医師: 病院全体では217床です。内科の中でも消化器内科は割合が多め。何床と数が決まっているわけではありませんが、消化器内科だけで常時60床くらい持っています。

── 消化器内科はチーム制でしょうか。主治医制でしょうか

疋田医師: 主治医制です。私は常時5~10人ほど受け持っています。

── すでに外来は持っていますか

疋田医師: 内科専攻医1年目は、まだ専門外来を持ちません。専攻医2年目から週替わりで消化器内科の専門外来を担当する予定です。
ただ、自分の患者さんの退院後のフォローの外来はすでにやっています。自分の空いている時間に予約を入れてもらい、来院していただき、診察しています。

指導体制と職場の雰囲気は?

── 指導体制はどのようになっていますか

疋田医師: 主治医として自分が患者さんを持ちながら、消化器内科にいる指導医に相談する形です。
相談事があれば、基本的にはその場ですぐ話して解決できています。主治医として、治療方針に困ったときなどはサポートもしてもらえますよ。

── 指導医の先生方は何名いますか

疋田医師: 消化器内科は指導医が3名います。

── 職場の雰囲気はいかがでしょう

疋田医師: 和気あいあいとしています。指導や診察の場面は真剣ですが、休憩や雑談のときには、いつも冗談が飛び交っています。面白い先生が多いですね。もし私が失敗したときは、丁寧にやさしく教えてくださいます。

── 消化器内科の年齢層や性別の割合についてはどうですか

疋田医師: 消化器内科は、全員が大阪医科大学の医局に入っています。内科の男女比についてですが、上の先生方はほとんどが男性です。しかし若い先生となると、男女は半々です。ちなみに2年前は、20代全員が女性でした。他科も比較的女性の先生が多いと思います。

── 育休や産休はみなさん取得していますか

疋田医師: 育休や産休も取りやすいのではないでしょうか。聞く限りだと、どなたかが産休に入る際、大阪医科大学の関連病院から先生が補充されているようです。

── コメディカルさんとの関りはいかがでしょうか

疋田医師: コメディカルさんとは仲がいいですよ。初期研修が始まったばかりのころ、救急の場で看護師さんから教わる機会がありました。以来、交流しています。当直の際は放射線技師の方々にもお世話になっています。薬剤師の方々にも電話でいろいろ教えてもらっていて、垣根はないように感じます。みんなでチーム医療をしている実感があります。

── 学会も参加していますか

疋田医師: はい。学会参加のサポートは非常に手厚いですね。上級医の先生が珍しい症例を確保したら、私ら専攻医も交えていただけます。そのような症例を年に数回は学会で発表させてもらっています。

── 初期研修医の指導もしていますか

疋田医師: 当直などで救急外来に入るときは、患者さんの接し方、カルテの書き方、治療方針といったことを自然と教える流れになります。

── 救急外来はどのような体制なのでしょうか

疋田医師: 常勤の救急医がおらず、曜日ごとに循環器内科や消化器内科など、科ごとで対応することになっています。ときには、外部から救急の先生が来ることもあって、日によって体制は変わります。

1日のスケジュールは?当直とオンコール当番は月何回?

── 1日の流れ、1週間の流れについて教えてください

■疋田医師1週間のスケジュール

 
休み

通常業務

通常業務

当直コンサル
テーション当番

当直明け

休み

通常勤務・
(救急当番:
隔週午前)
6:00 起床 起床 起床     起床
7:00              
8:00   病院到着
・カルテチェック
8:20 消化器カンファ(内科・外科・放射線科)
8:30 病棟業務
病院到着
・カルテチェック
8:30 病棟業務
病院到着
8:00 内科カンファ
8:30 カルテチェック・病棟業務
8:30 カルテチェック・病棟業務   病院到着
・カルテチェック
(8:30 救急当番)
9:00   9:30 上部内視鏡 9:30 上部内視鏡・ERCP 9:30 上部内視鏡 9:30 上部内視鏡   9:30 上部内視鏡
10:00    
11:00    
12:00   昼食 昼食 昼食     昼食
13:00   13:30 下部内視鏡 13:30 下部内視鏡 13:30 下部内視鏡 帰宅   13:30 下部内視鏡
14:00      
15:00      
16:00   病棟業務 病棟業務 病棟業務   病棟業務
17:00       17:30 内科当直
(救急外来Walk in担当・病棟)
     
18:00              
19:00   帰宅 帰宅       帰宅

疋田医師: 基本的には、日曜日と金曜日がお休みです。水曜日が当直で、木曜日は到着明けの午前のみの週4.5日の働き方です。
勤務日は、朝8時に病院に到着しています。午前中の業務を始めます。

── 当直は月に何回でしょうか

疋田医師: だいたい月に5回で、そのうち1回は土曜日か日曜日の当直となっています。

── 当直の体制はどのようになっていますか

疋田医師: 当直は内科当直が2名います。2名中1名は院内の医師。もう1名は院外の医師です。院内の先生はウォークインの救急外来や病棟管理、院外の先生はICUと救急車を担当しています。
私たち専攻医は、院内の先生と一緒に当直にあたります。

── 当直明けは何時まで働いていますか

疋田医師: 基本的には午前中のうちに帰っています。経験したい症例などがあれば、午後も自主的に残って対応します。

── 時間外のオンコールはどのようになっていますか

疋田医師: 当院では、月ごとに当番が決まっています。当番月、もし電話が入れば、だいたいは病院に行きます。緊急内視鏡が必要だと判断すれば、指導医を呼んで処置。ただ、呼ばれて処置をするのは月数回と多くはありません。というのも、現状、消化器内科の専攻医が4名と潤沢。誰かしらが当直に入っているため、オンコールが少ないのです。

病院の施設は?寮はある?

── 寮はありますか

疋田医師: はい、当院から徒歩数分のところにマンション型の寮があります。専攻医、研修医、看護師の方々が住んでいます。

── 他に気に入った病院内の施設などあれば教えてください

疋田医師: 院内の食堂も充実しています。勤務者は1食350円。ありがたいですね。

── 病院周辺の環境はいかがでしょうか

疋田医師: 私の出身が大阪府ということもあって、地元で働いている感覚です。周辺は勉強できるカフェもあって栄えています。交通面も便がよくて、京都や梅田など中心地にも出やすいですよ。

北摂総合病院の魅力と長所

── 初期研修と専門研修を過ごして、あらためて北摂総合病院の長所はどこにあると感じますか

疋田医師: 医局が内科系、外科系で分かれておらず一緒なところですね。全先生との距離が近く、コンサルもスムーズにできます。コメディカルさんとも距離が近く、職種や勤務年数を問わずに誰でも自由な意見が言える環境です。消化器内科は大阪医科薬科大学出身の先生が多くいらっしゃいます。知り合いの知り合いまで辿れば、だいたいお互い知っている先生に行き当たります。そういうところも安心感があっていいですよ。そんな環境でありながら、学閥はないので、他の大学出身の先生も来ていただきたく思います。

── 働いてみて意外だった点はありますか

疋田医師: 覚悟はしていましたが、やはり消化器内科の勉強範囲は膨大。想像以上でした。それに、座学だけで対応できないことも、身をもって経験しました。現場の先生方の対応方法やその後の取り組み方は、横で見ているだけでも勉強になります。
あとは、病院ごとの長所も知れてよかったですね。マルチに能力を伸ばすためには、いろんな病院で経験を積むことが重要だと感じています。

── J-OSLERは順調でしょうか

疋田医師: 私は、初期研修から当院で働いていることもあって、消化器内科系の症例は順調に集まっています。消化器系以外の珍しい症例についても、カルテとして記録されているので、症例管理に時間を割く必要はありません。これは助かります。
また、循環器内科、総合内科、救命救急科の先生方から、「今、うちでこんな症例があるけど、どう?」とお声がけいただけます。そういった配慮の中、「ぜひお願いします!」といえば担当にしてもらえるので、不安はありません。

── 将来の展望はいかがでしょうか

疋田医師: さまざまな病院に行く可能性があるので、まずは技術の証明のためにしっかりと専門医取得のために励みたいと思います。 当面の目標としては、内科専門医試験の勉強、J-OSLERの症例集めを並行させたいところですね。 その後は、大阪医科薬科大学の大学院に入るかどうかだと思っています。大学院進学の可能性がある以上は、そのための勉強もしておきたいですね。

── 最後に、北摂総合病院を検討する方々にアドバイスをお願いします

疋田医師: 大阪府はシーリング対象のこともあって、専攻医は狭き門になっています。そんな環境下ですが、当院は希望の先生がいればしっかり研修しやすいと思います。大阪医科薬科大学の先生が多い環境ではありますが、学閥はありません。内科と外科の垣根もなく、働きやすい環境です。他大学や他都道府県出身の先生方も、ぜひ見学にしていただきたいです。

―― 疋田医師、ありがとうございました。

専攻医・シニアレジデント研修時の処遇

消化器内科募集人員
2名
勤務時間(定時)
平日、土曜 8:30~17:30
週40時間 完全週休2日制
当直
当直4回/月 日直(土日祝)1回/月
休日・休暇
週40時間 完全週休2日制
給与
初年度概算年俸9,900,000円(給与・宿日直手当・時間外手当・賞与・退職金を含む。
時間外手当は月20H、宿当直手当は平日36回、日祝10回で試算)
年1回の国内学会出張及び自ら発表する学会出張費は病院が負担します。

 

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