【マッチング成功のカギ】2023年度の結果分析｜教えてC-MECコンサルタント

2023年10月26日のマッチング結果発表データから2023年度の傾向、今後のマッチング対策や展望について見ていきましょう。特に現在医学部4～5年生の皆さんのキャリアに繋がっていく内容になりますので、是非参考にしてください。

マッチング結果から分かることを解説！

2023年度のマッチング結果データ見ましたか？

厳しくなったという話は聞きましたが、データについてはしっかり見ていないです💦

マッチングは医学生の就活、キャリアに関わっていく話になるので、ちゃんと理解することが重要です！
まずは、マッチング結果の概要から見ていきましょう。

① マッチング参加状況からマッチ率を知る

いきなりのプチネタですが、【参加者最大希望順位登録数】で999病院を登録した猛者がいました！

研修医マッチング参加状況

	令和5年度	令和4年度
参加者数(名)	10,202	10,207
希望順位登録者数(名)	9,913	9,924
参加者最大希望順位登録数	999	61
参加平均希望順位登録数	4.35	3.84
参加病院数	1,029	1,024
募集定員(名)	10,895	10,844

ほんとですね……。登録するの大変だったろうな……。腱鞘炎にならなかったか心配ですね💦
そして、この方が【参加者平均希望順位登録数】の平均を4.35まで若干上げているんでしょうね！

最も注目したいのは、【希望順位登録者数】と【募集定員】です。

研修医マッチング参加状況

	令和5年度	令和4年度
参加者数(名)	10,202	10,207
希望順位登録者数(名)	9,913	9,924
希望者最大希望順位登録数	999	61
参加平均希望順位登録数	4.35	3.84
参加病院数	1,029	1,024
募集定員(名)	10,895	10,844

（先に最も大事なことから教えてくださいよ。）
なぜ【希望順位登録者数】と【募集定員】に注目するのですか？

【希望順位登録者数】は、昨年度と比較すると11名減少（微減）しています。つまり、医学生の参加人数が減りました。
でも、【募集定員】は昨年度と比べると51枠増加しています。

（昨年度に比べ）参加人数が減って、募集定員数が増えたということは…!? 応募者数よりも定員枠が増えたということは…!? マッチ率は上がりますよね??

そう思いますよね…。でも、マッチ率は下がってしまったんです😢

全体のマッチ率

	令和5年度	令和4年度
希望順位登録者数(名)・・・①	9,913	9,924
マッチ者数(名)・・・②	8,968	8,995
マッチ率・・・②/①	90.5%	90.6%

………じゃあ、やっぱり2023年度もマッチングは厳しくなったということですか😭？

残念ながらそうなります…😭
2023年度は945名がアンマッチとなりました。順位登録未登録者の289名を加えると、 1,234名が2次募集以降で動いています。
昨年度に続いて2023年度も、2次募集対象者数は過去最高値を記録してしまいました。

1,234名ですか……!?とても覚えやすい…。
けど悲しんでいてもしょうがないですね💪他にも何か注目ポイントはありますか？

② 希望順位ごとのマッチ出来る確率を知る

【第1希望・第2希望マッチ者数】の割合です！

全マッチ者数に対する希望順位ごとのマッチ者数およびマッチ率

	令和5年度(%)	令和4年度(%)
第1希望マッチ者数(名)	5,770 (64.3)	5,959 (66.3)
第2希望マッチ者数(名)	1,461 (16.3)	1,474 (16.4)
第3希望マッチ者数(名)	815 (9.1)	784 (8.7)
第4希望以下のマッチ者数(名)	922 (10.3)	778 (8.6)
計	8,968 (100)	8,995 (100)

なるほど！第1希望・第2希望マッチ者数の割合ですね！
えっと、昨年度と比べると…下がってます…よね？
これが意味しているのは何ですか😥？

第1希望・第2希望のマッチ率が下がりました。
これが意味しているのは、本当に行きたい希望の病院でマッチできる確率が下がっているということです。第1希望の病院にマッチできたのは全体の64%ですからね。中々厳しい数字だと思います。

そろそろ明るいネタが欲しいです…😢

現実はしっかりと受け止めましょう…！
次、見てみましょう！

③ 空席数から都市部のマッチングの厳しさを知る

【空席数】を見てください。1,927枠空いているんです。

臨床研修病院、大学病院別　研修医マッチング結果の概要

	臨床研修病院 (%)	大学病院 (%)	合計 (%)
募集定員(名)	6,605 (60.6)	4,290 (39.4)	10,895 (100)
マッチ者数(名)	5,755 (64.2)	1,474 (16.4)	8,968 (100)
空席数(名)	850 (44.1)	1,077 (55.9)	1,927 (100)

約2,000枠ってことだから、結構空いていますよね？本当にマッチング厳しくなっているんですか??

そう思いますよね！実際にマッチングが厳しくなっているのは特に【都市部エリア】です。

突然ですがクイズです💡
Q.2023年度に充足率が100％だった、唯一の都道府県はどこだと思いますか？
①東京都　②大阪府　③神奈川県　④京都府　⑤奈良県　

…………
⑤奈良県ですか？

正解！素晴らしい！
奈良県は126枠すべてがフルマッチとなりました!

奈良県は大阪にも近く、募集枠が126枠と少ないということも理由の一つです。元々充足率が高い県になります。
では、全国の充足率を見てみましょう。

都道府県別の充足率

都道府県	募集定員	マッチ者数	充足率 (%)
奈良県	126	126	100.0
兵庫県	410	407	99.3
東京都	1,243	1,224	98.5
大阪府	647	636	98.3
京都府	258	252	97.7
神奈川県	666	647	97.1
愛知県	570	538	94.4
千葉県	493	459	93.1
静岡県	304	282	92.8
福岡県	413	382	92.5
埼玉県	448	406	90.6
滋賀県	126	113	89.7
岡山県	197	171	86.8
広島県	207	171	82.6
山梨県	81	66	81.5
沖縄県	160	127	79.4
三重県	164	128	78.0
長崎県	144	111	77.1
北海道	437	335	76.7
茨城県	247	185	74.9
島根県	75	56	74.7
長野県	168	123	73.2
群馬県	144	105	72.9
宮城県	227	165	72.7
和歌山県	125	90	72.0
石川県	133	95	71.4
熊本県	143	100	69.9
栃木県	193	133	68.9
富山県	109	75	68.8
岐阜県	187	127	67.9
佐賀県	84	54	64.3
山形県	117	75	64.1
福島県	172	110	64.0
鹿児島県	145	91	62.8
愛媛県	139	87	62.6
高知県	92	56	60.9
青森県	152	85	55.9
山口県	131	72	55.0
岩手県	122	66	54.1
新潟県	229	119	52.0
秋田県	106	55	51.9
徳島県	74	37	50.0
香川県	104	52	50.0
大分県	107	53	49.5
鳥取県	81	36	44.4
宮崎県	106	47	44.3
福井県	89	38	42.7
計	10,895	8,968	82.3

全国の充足率TOP5に関西エリアが4つも!?
4つの関西エリアだけで見ると、1,441枠に対して1,421名マッチで驚異の98.6%の充足率です！京都府では6枠、大阪府では11枠、兵庫県では3枠しか空きが出ていないんですね…😵

残念ながらアンマッチになってしまった学生さんが関西エリア希望の場合は、2次募集でこれらの中から空きが出ている病院に応募します。

都市部の病院への応募は、1分1秒を争うレベルです。1名枠に20名の応募などで応募者多数ということで、結果発表当日、翌日に募集を締切っている病院が多数あります😨

募集定員に空きがあっても、募集しない場合がある!?

2次募集で空きが出ている病院全てが募集をかけるわけではないって本当ですか🫣？

本当です！特に人気病院は募集をしない傾向が強いです！
また、【地域枠】の学生で2次募集になってしまった学生もいます。地域枠の場合は、初期研修の段階から、該当県内もしくは指定エリアでの医療従事となります。
【一般枠】の学生は希望条件を広げられれば、全国で病院を探すことができますが、地域枠の学生は広げることができません… 😟

地域枠生が対象エリアでマッチできず、しかもそのエリアで空いている枠が非常に少ないという場合には余計に不安になりますね…。
つまり、一般枠の学生に限らず【地域枠】の学生も、マッチング活動をしっかりとする必要があるということですね！

そうです！一般枠・地域枠にとらわれず、マッチング活動は早めにかつ適切に行っておく必要があります。