医師インタビュー

【住友病院/内科専攻医インタビュー】柔軟に取り組めていると実感。専門領域と各科ローテの仕組みとは

【 M.A. 医師 】
卒業大学:大阪大学
2021年 住友病院で初期研修を行う
2023年 住友病院で血液内科専門研修を行う

薬学部のバックグラウンドを活かすため、サブスペに血液内科を選択。

── M.A.医師は、サブスペシャリティ領域を血液内科に決めていますね。決断した時期と理由を教えてください。

M.A.医師: 学生時代に決めていました。実は私、薬学部を一度卒業しているんです。特にゲノムなどのオミクス関連の研究をしてきたため、血液内科でそのバックグラウンドを活かそうと考えました。 もちろん遺伝子変異などの知識はどこの科でも重要なものですが、親和性がとりわけ高いのが、血液内科だと思います。

── 血液内科の他に、検討していた領域はありますか?

M.A.医師: 迷っていたのは、小児科です。子どもが好きなので直前まで検討していました。 小児血液は小児科専門医の上にあり、成人の内科に進むと診ることはできなくなるため、最後まで悩みました。

ポリクリのときから、マッチングでは住友病院を選ぶと決めていた。

── マッチングで住友病院を選んだのはなぜですか?

M.A.医師: 学生時代にポリクリで2週間ほど、住友病院の血液内科を経験したんです。そのタイミングで、初期研修はここにしようと決めていましたね。

──  割と早い段階ですね。決め手は、なんだったのでしょうか?

M.A.医師: 血液内科が充実していることです。当時から教育体制がしっかり整っていて、医師の人数も多かったので。ここならじっくり学んでいけるだろうなと思い、決意しました。

内科をじっくり学ぶべく各科ローテを通常より延長。

── 住友病院のサブスペ・ローテーションは、どんな仕組みですか?

M.A.医師: 慣習としては、3年目(専攻医1年目)の前半か後半の6ヶ月間は、いわゆる各科ローテとして、志望科以外で回りたい内科をローテーションします。そしてもう半年を使って、志望科で学ぶのが一般的です。
ただし私の場合は、内科の基盤をしっかり鍛えたいという思いがあり、各科ローテを9ヶ月間に伸ばしてもらいました。3ヶ月間だけ血液内科にいるというかたちにしています。反対に、志望科を早く学びたくて各科ローテを3か月間だけにする人もいます。他の病院と比べてだいぶ柔軟なプログラムだと思います。

── なぜ「内科の基盤を鍛えたい」と考えたのでしょうか?

M.A.医師: 救急外来や一般内科外来には、白血病などの血液疾患はめったに来ないですよね。世の中には、循環器や消化器などの、いわゆるメジャー内科の疾患で困っている患者さんの方が圧倒的に多いのが事実です。 なので、早くから血液内科に浸かり切ってしまうと、内科医として少し乖離するんじゃないかなという心配がありました。一方で、化学療法中の患者さんは様々な臓器の副作用を起こすので、幅広い内科の知識は血液内科にも必ず役立ちます。はやる気持ちを抑えて、まずは時間をかけて内科医としてのベースを鍛える必要があると思いました。
研修プログラムを見ている先生が非常に柔軟な考えの方で、「回りたいなら、どのタイミングでも、どの科でも回っていい」と専攻医の意思を尊重してくれます。専攻医自身で決められる良い環境ですよね。

── M.A.医師は、何科を回ったのですか?

M.A.医師: ほとんどの内科を、1ヶ月ごとに学びました。循環器と腎臓は急性期を診ることが多かったので、2ヶ月間使って回りました。今は血液内科にいますが、専攻医2年目となる次の4月で、連携先の血液内科に行って、また住友病院に戻ってくる予定です。

若手で協力しながら、救急外来のシフトを回している。

── 現在は、具体的にどのような業務を担当しているのでしょうか?

M.A.医師: 血液内科外来はまだ担当していませんが、総合診療科所属の一般内科外来のほうを、シフト制で持ち回りをしています。また、救急外来も、我々若手みんなでシフトを組んで回しています。二次救急なので高エネルギー外傷などは運ばれてくることはありませんが、内科疾患は三次救急相当のものも受け入れてます。人口密集地帯なので救急搬送も多く、若手みんな活気があって忙しくやっています。もちろん、上級医のバックアップつきです。 週に2〜3コマは一般内科外来か救急外来をやり、残りの時間は病棟で担当の患者さんを診ているかたちです。

── 平均的な1日のスケジュールを教えてください。

M.A.医師: 朝8時くらいに病院に来て、まずは患者さんの情報をチェックします。救急外来がある日は、8時半頃から救急患者さんを引き継ぎ、12時半くらいまで救急車などの対応をします。合間で、血液内科の患者さんの検査結果をチェックしています。

午後は、骨髄検査や中心静脈カテーテル留置などの手技を行うことが多いです。同時に、病棟の患者さんの回診も行います。

なお、救急当番や外来当番が入っていない日は、病棟に集中します。まずはバイタルが変化している患者さんや血液検査の予定がない患者さんの対応を進め、検査結果が出次第、他の患者さんの対応を行うことが多いですね。

── 忙しそうですが、だいたいどのくらいで終業しますか?

M.A.医師: 20時を回ることが多いですね。まだ慣れていないので、時間がかかっています。 ただ、誰も残れとは言ってこないし、上の先生は18時にはもういないくらい早く帰れています。効率よく行えれば早く帰れる環境です。

── ちなみに、当直の頻度は?

M.A.医師: 専攻医の1〜2年目は、救急外来の当直を任されます。日直1回、宿直を月に2〜3回という頻度です。 血液内科は、まだオンコールは入っていませんが、専攻医2年目からオンコールも担当するようになります。

「生き死に」に関わる悪性腫瘍を持った患者さんを診る責任感。

── 血液内科にいて、もっとも苦労していることはなんですか?

M.A.医師: 患者さんのほとんどが悪性腫瘍で、生き死にに関わるような状態です。生活習慣病のようにお薬を調整して経過を見ていきましょう、で終わらせられるようなものではないので、ICのときに責任感をものすごく感じます。当然ですが、絶対に妥協はできません。 また他の内科に比べると、患者さんやご家族との付き合いが比較的濃く、長い傾向にあると思います。

そんな中で、血液の腫瘍は説明が難しく、苦労しています。血球の種類や遺伝子変異などの詳しい説明をしても混乱されてしまうので…。どこまで説明すればわかりやすいのか、試行錯誤していますね。 わかりやすく説明するための資料作りなど、準備に時間をかける毎日です。

上の医師ともフランクにコミュニケーションがとれ、育児にも優しい環境。

── 大変なことも多いと思いますが、住友病院で研修をしていてよかったと思う瞬間はどんなときですか?

M.A.医師: 住友病院しか経験していないので他との比較はできませんが、各診療科、特に内科系診療科の垣根はだいぶ低いと感じます。また、上の医師ともフランクにコミュニケーションがとれます。総じて、仕事がしやすい雰囲気がありますね。

患者さんの人数も、押しつぶされるレベルではないので、追い込まれずに働けます。時間のゆとりのある先生が多く懇切丁寧に教えてくれるし、自分の時間も持てるので、丁寧に学んでいきたいという方には向いている病院かなと思います。

また、個人的に感謝しているのは、出産・育児に対する病院の理解です。院内保育所も手厚く、みなさんとても助けられているようです。今も、子供が体調を崩した時には休みを頂いたりするのですが、嫌な顔は全くされません。産休前や育児中の医師が他にもいるので、お互い様、という雰囲気が病院全体にあります。その点は、働き方改革の必要がないくらいなのでは、と感じています。

── 病院の立地について、利便性はいかがですか?

M.A.医師: 最寄り駅は大阪駅から一駅で、大阪駅まで、電車やバスはもちろん自転車でも行けるくらいです。福島駅周辺には飲み屋街があって、病院の人たちと飲みにいくこともありますよ。総合的に見て、とても便利な場所にあると思います。
近くに大きな公園も多いですし、徒歩範囲に市の科学館があったり、電車で少し行けば海遊館やUSJがあったりなど、子育て環境としても言うことないと思います。

まとめ

今回は、内科研修医として後期研修中のM.A.医師にお話を伺いました。研修先を選ぶ際のポイントが見えてきたのではないでしょうか。
専門分野に合った研修先を選べると、キャリアの土台を効果的に作ることができます。充実した経験を積めるよう、参考にしてみてください。

専攻医・シニアレジデント研修時の処遇(2023年度実績)

募集人員
定員 5名
勤務時間
8:30 ~ 16:45
当直
2.5回/月
想定年収
3年目 700万円
4年目 780万円
5年目 850万円
※いずれも時間外手当、当直手当を含む

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