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医学部の留年理由や対処法を紹介!留年するとマッチングに不利になる?

医学部に入学した後、医師になるためには医師国家試験に合格する必要があります。しかし、その前に医学部を卒業しなければ医師国家試験を受験する資格を得ることができません。そのため、入学してからの進級・卒業試験をしっかりとクリアしていく必要がありますが、医学部は留年率が高いといわれています。

この記事では、医学部生が留年しやすい理由やその対処法について解説します。また、医学部生が気になる就活事情から留年するとマッチングが不利になってしまうのかについても解説します。

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医学部生に留年が多い理由

一般社団法人全国医学部長病院長会議での医学生の学力に関するアンケート調査結果によると、留年率は増加傾向で特に低学年での留年率が増えているようです。ではなぜ医学部生で留年が多くなってしまうのでしょうか。ここでは留年が多い理由について代表的なものを解説していきます。

医学生の学力に関するアンケート調査結果

進級規定の単位不足

医学部以外の学部では「数年かけて必要な単位数を取得すれば良い」ことが多く、仮にその年の必修科目を落としても、翌年までに取得できれば進級可能といった少しの余裕があります。 しかし、医学部は履修科目のほとんどが単位を落とせない必修科目であり、1科目でも単位を取得できなければ進級を認められないというケースも多くあります。このことが医学部における留年の大きな要因といえます。

再試験(場合によっては再々試験やレポート提出)などの救済措置もあるようですが、それでも合格判定をもらえなければ留年となります。

科目の難易度が高い

進級規定の単位不足、つまり1つも単位を落とせないことが留年の大きな理由とお伝えしましたが、もう1つ大きな理由があります。それは科目の難易度が高いということです。医師は人命を扱う仕事であり、多くの知識量が求められます。医学部の勉強は複雑で、広範囲の知識を習得しなければいけません。つまりどの科目も難易度が高く、満遍なく勉強することが必要です。

また、臨床医学を学ぶ前に習う薬理学や生化学、細胞生物学などの基礎医学は、覚える内容が多岐にわたり、多くの医学生が苦手とする分野です。

2年生からは解剖学の実習が始まるため、スケジュールもハードになります。多くの医学部生はクラブ活動をしているので勉学との両立がとても大変でしょう。 医学部入学がゴールとなりモチベーションが保てない医学部は他の学部よりも偏差値が高く、狭き門となっています。そのため、医学部を志望する受験生はたくさんの勉強をして晴れて合格を勝ち取って入学してきます。医学部に入学する時点で相当の労力を使っている方が大半でしょう。

これまで医学部入学を目標として努力を続けてきた医学生の中には、入学できたことに達成感を感じてその後の勉強に身が入らなくなる「燃え尽き症候群」となる方が一定数います。燃え尽き症候群は1~2年生と入学後比較的間もない時期の方に多く見られます。その理由は受験の達成感でやる気を失ってしまうことと、1~2年生で学ぶ内容が教養科目や基礎医学で直接医師の仕事に直結するイメージがしにくく、モチベーションの上がりづらい分野であるためです。

医学部の生活は、頑張りすぎにも注意が必要です。留年しないようにと睡眠時間を削ってまで勉強を頑張ってしまうと、心身のバランスが乱れてしまうことがあります。その結果、欠席が続いて出席日数が足りなくなったり、授業についていけなくなったりと、最終的には留年の可能性も。日々の勉強が大切なのはいうまでもないですが、自分を追い込みすぎないようにしましょう。

卒業試験に不合格になってしまう

大学にとって医師国家試験合格率というのは非常に大事で、入試で多くの受験生を集めるのに貴重な情報源となります。そのため、国家試験に合格する見込みのない学生を受験させて、合格率を下げないように卒業試験でふるい落としを行う大学があります。
卒業試験に合格できないと国家試験を受けることができないのです。このようなシステムは国公立大学よりも受験者数が経営にも関わってくる私立大学で多く行われています。

国家試験を受けるために絶対に突破したい卒業試験も、非常にハードなものになっています。卒業試験は多くの科目(多くは20~30科目)を長期間(1~3か月)に渡って行われるため、肉体的にも精神的にもハードな試験です。また各大学や科目(教授)によって科目数や難易度、出題内容が異なります。
先輩や友人から得られる情報網を駆使し、出題されやすい分野を把握するなどして効率の良い勉強をしていくことが重要です。

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医学部を留年するとマッチング・就職が不利になる?

医学部を卒業した後はマッチングシステムにより研修病院が決定されます。留年すると卒業後の進路に影響があるのではと心配になる方がほとんどでしょう。実際のところはどうなのでしょうか。
ここでは留年とマッチングへの影響について解説します。

首都圏の人気病院ではマッチング時に悪影響を及ぼす可能性がある

マッチングは初期研修医先を決める際のシステムで、医学生と病院側がお互いに希望順位をつけて、アルゴリズムに従って両者をマッチングするシステムです。

マッチングでは、採用基準に留年していないことが条件と記載されている病院はほとんどなく、人気病院にも留年生がマッチングしているケースは多く見られます。
そのため、直接的に留年が悪影響をもたらすことは考えにくく、多くの研修病院で重要視しているのは筆記試験や面接試験の結果であることが考えられます。
しかし、同程度のスペックの応募者が複数いて、その中から合格者を決定する場面で留年の経歴がマイナスとなるかもしれません。
なぜなら、留年生が医師国家試験に合格することができるのか懸念を持たれてしまうかもしれないためです。

実際に山口大学の留年経験と国家試験の合格率の関係性を調査した論文【原田規章、中本稔(1997年)、医学部における入学者選抜方法と入学後の経過について―山口大学における追跡調査から―,医学教育第28巻・第3号】(原著)で、留年経験者は国試の合格率が低いというデータもあります。 研修病院にとって研修医は貴重な財産です。せっかくマッチングで学生を採用しても、その学生が国家試験に不合格となるとその分は欠員となり、病院の損失となます。そのため、マッチングにおいて留年しないに越したことはないといえます。

親しい友人が周りにいなくなり、情報収集に苦労する

留年すると同級生とは離れ、1つ下の学年と一緒に勉強していくことになります。スムーズに新たな人間関係を築ければいいのですが、時としてお互いに気を遣ってしまうことも少なくありません。その結果、なかなかコミュニケーションがとれず講義や試験の情報がこれまでより手に入りにくい状況が生まれます。

医学部に限らないと思われますが、各科目の試験は担当する教授や年度によって難易度が変わることがあります。そのため、その年の授業や教授それぞれに応じた対策を取ることが大切となってきます。
医学部の試験は多くの知識量が要求され、試験に合格するには勉強量だけでなく、効率性も非常に重要です。効率良く勉強するためには試験情報が重要です。ですが、留年すると情報が手に入りにくくなる恐れがあります。

留年すると在学中の試験のみでなく、卒業後の研修病院の情報についても不足してしまう可能性があります。だいたい5~6年生になると研修先の病院を決めるために病院見学を医学生が増えます。見学した内容について同級生で情報交換をすることがあるのですが、留年し、情報交換の輪の中に入れないと有用な情報が手に入りにくいことがあります。

医学部を留年してしまったら…

もし単位を落としてしまって留年が決まってしまった場合、これから先どうすればいいのか大変不安な気持ちになるかと思います。もし留年をしてしまったら極力気持ちを切り替えて、今後留年しないためにこれからの過ごし方について考えることが大切です。

大学の進級要件や卒業要件を再度確認

基本的に留年したら即退学ということはありませんので御安心ください。大切なのはこれ以上留年をしないことです。しかし、留年を同じ学年で繰り返したり、複数回留年すると放校になってしまうことがあるため注意が必要です。
放校の基準は大学によって異なり、明確に規定されています。留年したら放校にならないように在学している大学の規定を確認しておきましょう。

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留年すると人間関係が大きく変化し、これまで仲の良かった人とは別の環境で勉強を続けていかなくてはなりません。そのためどうしても留年生は留年してしまったということも合わせて孤独を感じやすくなります。

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まとめ

医学部は単位規定が厳しく、他の学部に比べて留年しやすいです。留年してしまうと、学費といった経済的な負担だけでなく、人間関係の変化や挫折感など精神的にも大きな負担となります。 就職面で留年が直接的に影響することはありませんが、留年しない事に越したことはないため、医学部に受かったからといってそれだけで満足せず勉強を続けていくことは必要です。ただ医学部は科目数も多く、進級へハードルは高いため常に全力疾走では心身のバランスが崩れてしまうこともあります。

また、努力をしていても留年してしまうこともあるでしょう。もし留年が決定してしまったら、早めに気持ちを切り替えて勉強を再開することが必要です。留年生はどうしても孤独になりやすいのでサポートがほしいという方も多いかと思います。
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