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研修医の給料は?勤務先や都道府県で比較!働き方改革の影響はあるのか

医者としてのキャリアスタートは研修医です。始めのステップとなる研修医生活はどのような働き方を目指すか、どこで働き、どのくらいの給料をもらうかなど、多くの考えておきたいことがあります。

今回は、研修医の給料に焦点を当てて、勤務先や都道府県によってどのような違いがあるのか解説します。また、2024年から始まる医師の働き方改革がどのように研修医の給料に影響を与えるのかにも触れるので、参考にしてみてください。

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初期研修医・後期研修医(専攻医)の給料、仕事内容のちがいは?

初期研修医や後期研修医、あるいは専攻医という言葉を聞いたことはあるでしょう。これらの職位の定義や給料の違いをご存知でしょうか。ここでは研修制度や、それぞれの給料と仕事内容を解説します。

初期研修医

初期研修とは、将来の専門分野にかかわらず基本的な診療能力を身につけることを目標にした期間です。臨床医として働く方は、大学附属病院または厚生労働大臣の指定した病院で二年以上の研修を受ける必要があります。

初期研修医は専門分野を決める前にさまざまな科をローテーションして技能を習得します。 回ることを義務付けられている科は、内科、外科、産婦人科、小児科、救急科などさまざまです。そのため、幅広い知識・技術を求められる一方、専門性には乏しくなります。 仕事内容としては、一般外来診療ではなく、主に病棟業務や、救急外来で診察、検査、上級医の指導下での処置をおこないます。

研修医は医師として働きながら研修している状態のため、給与を得ています。厚生労働省の調べによると、平成23年度の初期研修医の年収(賞与も含む)は平均450万円程度で、おおむね320〜720万円の範囲に含まれます。(*1)

*1 臨床病院における研修医の処遇|厚生労働省

専攻医(後期研修医)

初期研修後の段階は、かつて後期研修医と呼ばれていましたが、新専門医制度が導入された以降は専攻医として呼ばれています。現在の制度では、専攻医は初期研修2年の修了後、選択した専門領域に関する標準化された研修を受け、専門医を目指すために必要な知識や経験を獲得していきます。初期研修医と比較すると専門の医師としての仕事が主となります。

専攻医と初期研修医の最大の違いは、病棟患者を主治医として担当するかどうかです。外科系でも内科系でも、処置や手術、担当患者の入退院や治療方針の決定など責任ある立場となります。外来担当や救急当直も入ることも多いです。


市中病院と大学病院!研修医の給料や手当を比較

研修医として働く研修病院は、おもに市中病院(臨床研修病院)と大学付属病院にわかれます。給与の水準はどのように異なるのでしょうか。研修医の給料から気になる手当について詳しく解説します。

市中病院の方が給料が高い傾向にある

研修病院は、厚生労働省の基準を満たすプログラムを提供できる施設です。研修内容や待遇の相違点も注意すべき点ですが、市中病院と大学付属病院で給料にも違いがあるためしっかりとおさえておきましょう。

給与水準は厚生労働省の調べで、月額平均として市中病院は29.8万円、大学病院は15.4万円(手当を含まない)であることがわかっており、市中病院の方が高い傾向です。(*2)

*2 研修医の処遇状況に係る調査結果について|厚生労働省

時間外手当及び賞与の有無は市中病院が手厚い

研修医は救急外来や当直、病棟業務で残業する可能性もあるため、給料の違いだけでなく、時間外手当や賞与の違いも大きく響くところです。厚生労働省の調べによると、時間外手当のある施設の割合は市中病院で30.4%、大学付属病院で27.6%と3割前後であることがわかり、市中病院の方が時間外手当の割合が高い結果となりました。

賞与のある施設の割合は、市中病院で27.6%で、大学付属病院で12.2%です。当直手当のある施設の割合は、市中病院が74.1%で、大学付属病院が64.2%です。時間外手当や当直手当に関しては、施設ごとに申請の方式など細かな規則が異なるため、最終的な収入は一概に予測できません。傾向として、市中病院の方が手当が多いというのがあります。

他に、宿舎のある病院は市中病院では303病院(72.7%)、大学病院院では28病院(22.8%)で、市中病院のほうが宿舎がある割合が高いです。住宅手当も市中病院のほうが充実していることがわかります。

参照:研修医の処遇状況に係る調査結果について|厚生労働省

都道府県による研修医の給料のちがい

地域によって給料は異なる傾向にあり、都市部よりも地方の研修医の平均年収が高いです。たとえば東京都は、1年次、2年次ともに平均年収400万円以下なのに対し、秋田県では1年次、2年次ともに平均年収500万円以上であり、2年次においては650万円と増額します。厚生労働省の資料(*3)からは、平均年収の高い東日本では医師の数が少ないことがわかります。

*3 令和2(2020)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概要


2024年4月以降は医師の働き方改革が起きる!

2019年に働き方改革のひとつとして時間外労働が制限されましたが、物流、建設、医療業界では5年間先送りされていました。しかし2024年4月から、医師の働き方改革により医師にも時間外労働の上限規制が定められるようになります。

この規制は医師がアルバイトを検討する際などに重要なポイントとなります。ここからは医師の働き方改革による時間外労働の上限、アルバイトを検討する際に注意していただきたいことを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

時間外労働の上限とは

現在まで、医療制度は医師の長時間労働で支えられてきました。しかし社会からの要請により、今後さらに医師個人に対する負担が増加する恐れがあり、是正が必要な状況です。こうした状況を改善するために、医師の働き方改革は進行され、医療の質や安全性を確保するため医師の長時間労働を規制することとなりました。

2024年4月以降、医師の長時間労働を減らすため、勤務先に上限規制がしかれます。各医療機関は、担う機能や働く医師の特性によって5つに分類され、施設水準ごとに異なる上限規制が適用されます。一般労働者と同程度の水準である、すべての勤務医に対して適用されるA水準では、【月100時間、年960時間】が時間外労働時間の上限です。高度な技能や救急医療を担うと判断された施設では、上限時間が長く設定されます。

副業をするなら調整が必要となる

先述したとおり、医師の労働時間の上限は、常勤先の施設の水準で定められます。したがって、自分の常勤先の病院が5段階のうちどの施設水準と認められているかを知り、自分の総労働時間を把握することが重要です。法定の労働時間を超えると、勤務先が把握した時点で勤務先は代償休息を与える必要があります。

副業を検討している場合は、労働時間が基準を超えていた場合、常勤先と副業先の病院の双方で調整を要する可能性があり、迷惑をかけるかもしれません。事前に把握し、労働時間を調整することが必要です。


医師の病院探しはシーメックにお任せください

後期研修医の常勤先により、給料や施設の水準が異なり上限の労働時間も異なるため、収入や生活が大きく左右されます。専門医研修プログラムを選択する際、研修内容のみならず、常勤先の病院の条件を知る必要があるため、自身で情報を集めるのは困難なこともあります。

シーメックのエージェントが、病院選びに必要な情報をご提供します。研修先の情報や経験談など生の情報も豊富にあり、病院選びでの重要な観点もお伝えできますので、ぜひご相談ください。

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まとめ

研修医の給料は、大学付属病院に比べ市中病院のほうが高く、都道府県では首都圏よりも医師の需要が高い東日本地方で高いことがわかりました。研修先を選ぶ際には、病院の特性や地域だけでなく、給料や手当を確認しましょう。さらに2024年4月からは医師の働き方改革によって、労働時間が制限されるようになります。副業を検討する場合は自身の労働時間をしっかりと把握するようにしてください。仕事をしながらさまざまな情報を集めるのは難しいため、給料や働き方で悩みがある方はぜひシーメックへのご相談ください。